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日本一のマニアが語るトランペット界のレジェンド、アレン・ヴィズッティ~最終回

日本一のマニアが語るトランペット界のレジェンド、アレン・ヴィズッティ~最終回
今や日本一の「ヴィズッティ・マニア」と言っても過言ではない!?トランペット奏者の石井真(いしい・まこと)さん。今月、いよいよその憧れのレジェンドと同じステージに立つ石井さんが、どんな風にヴィズッティさんにハマっていったのか…そのあたりをお伺いします!

アレン・ヴィズッティさんと石井さんの出会い

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写真:お話をお聞きしたトランペット奏者の石井 真さん

ヴィズッティを初めて知ったのは、中学生のとき、学校のオーケストラの指揮者の先生が、ジャズが好きならばこれを聴くといいよ、といって渡してくれたレコードです。それはウディー・ハーマンの「Road Father」で、A面の1曲目がまさにヴィズッティの『Fire Dance』でした。もうその1曲で度肝を抜かれたのですが、驚くことにそれを知った父は、自分が持っているヴィズッティのレコード2枚(「Skyrocket」と「Rainbow」)、それにテレビ番組をエアチェックしていた菊池ひみこさんとのスタジオライブ映像(グラスハウス’80という現在のテレビ東京の番組)を聴かせてくれました。私の父はジャズマニアで、特に日本や海外での映像を録画して収集していたのです。この映像は今でも動画サイトにも無い大変貴重なものでした。音だけではなく、この映像を見ることができたのは、ファンになる一番のきっかけだったかもしれません。

ー学校の先生が教えてくださった…だけではなく、家族に超ド級のマニアがいらっしゃったとは!素晴らしい環境で育たれたのですね…
 
いえいえ(笑)その後、高校生2年生のとき、ヤマハが主催していた合歓の郷でのアカデミー(浜松国際管楽器アカデミーの前身)にヴィズッティが来ることがわかり、両親に頼み込んで参加させてもらいました。残念ながらヴィズッティのクラスの抽選にはもれてしまったのですが、自分のクラスのレッスンが終わると、ヴィズッティのクラスに毎日聴講に行っていました。演奏だけではなく一挙手一投足を観察し、着ているものも立ち振る舞いも、全てが憧れの的でした。この合歓の郷で出会った友人の中には、今でも連絡を取っている人もいます。

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写真:アレン・ヴィズッティさんと石井真さんの合歓の郷での1枚

ーまさに憧れのスターとのファーストコンタクト!お写真の、ちょっと緊張しつつも満足そうな石井さんのお顔、本当に貴重な日々だったことがよくわかります!
 
偶然にもこの1年後に、私が住む多摩市にあるパルテノン多摩でチック・コリアがサマージャズフェスティバルを開催することになり、なんとヴィズッティがゲストとして参加することがわかりました。いてもたってもいられず、合歓の郷でいただいたヴィズッティの名刺の連絡先に電話をして、当日は楽屋まで押しかけてしまいました。それ以来、来日のたびに押しかけていましたので、本当に迷惑なファンだと思われていたと思います。
 
また後年、パイパーズの企画で、ヴィズッティとエリック・ミヤシロさんとの対談を翻訳したことは、大変光栄なことでした。
 
ー若き少年時代に憧れたスターと、仕事で一緒になるって、人生でもとっておきの素敵な時間ですね!そして、いよいよ1/23、石井さんは同じステージに立ちますね。当日のプログラムはまだ公開されていませんが、少しだけでも聞きどころを教えてもらえませんか。

なんといってもヴィズッティがウディー・ハーマン楽団で演奏し、Ten of the Bestでも演奏していた、『Fire dance』が聴けることに尽きると思います。おそらく日本でヴィズッティがビッグバンドでこの曲を演奏するのは初めてではないかと思います。

ーものすごくカッコよくて、テンションの上がる名曲ですね!確かに、生で聴いたことのある人は少ないと思います。
 
実は、この『Fire dance』は、僕がプロとして演奏するきっかけを与えてくれた曲でもあります。大学を卒業したころに、どうしても演奏したくて、インターネットを探し回っていたら、たまたまある大学の図書館にあることがわかり、急いで取り寄せて必死に練習して演奏していたところ、今現在もお世話になっているトランペットの横山均(よこやま・ひとし)さんに声をかけていただき、横山さんのご紹介で数原晋(かずはら・しん)さんのビッグバンドでこの曲を吹くことになりました。そしてこれも不思議な縁なのですが、いまZ EXPRESS BIG BANDで隣同士でトランペットを吹く赤塚謙一さん(当時大学生)が聴きに来ていたそうです。
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写真:左が赤塚謙一氏。Photo:森島興一

ー石井さんの人生において、まさにマイルストーンというか、本当に節目となった一曲ですね!そして、それがいまのバンド、Z EXPRESS BIG BANDにもつながっていて…
 
Z EXPRESS BIG BANDは、ひとつのブランドの楽器でビッグバンドが編成できる世界で唯一のバンドであり、それを可能にするYamahaのイノベーションを深く尊敬しています。23日はゲストのヴィズッティはもちろんのこと、回を重ねるごとに成長を続けるZ EXPRESS BIG BANDにもご注目いただきたいと思います。
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写真:Z EXPRESS BIG BANDライブより。Photo:森島興一

ーZ EXPRESS BIG BANDは2016楽器フェアでのデビューにはじまり、2017年に3度、今年に入ってはや1度の本番を終え、バンドとしてもグイグイ勢いがついているのが、よくわかります!これからも、よろしくお願いします!1/23のライブ、心から楽しみにしています。

Yamahaの皆さんには、素晴らしい楽器を製造していただいているだけではなく、合歓の郷でのアカデミーに始まり、Z EXPRESS BIG BANDへの参加、今回のヴィズッティとの共演まで、長い間大変お世話になっており、心から感謝しています。Yamahaがビジネスとして成功するだけではなく、音楽を人生の一部と考えて、初等教育から世界的なアーティストのサポートまで幅広く行っていることが、私の人生の中の様々な局面でYamahaとの出会いが続いている理由のひとつと思っています。

—石井さん、嬉しいお言葉、ありがとうございます!翌日1/24には大阪駅前で「トーク&パフォーマンス」があり、このコーナーでもレポートする予定です!どうぞお楽しみに…
 
ヴィズッティさんの「自作自演」や設計者のお話も聞けるということでこの上なく貴重なイベントですよね。僕も都合がつけば行こうかなと考えているところです。

—えっ!?東京から、そのためだけにですか?

ええ、マニアですから(笑)

(完)

アレン・ヴィズッティ 来日公演情報!

Z EXPRESS BIG BAND


スペシャルゲスト:アレン・ヴィズッティ
2018年1月23日(火)

開場:18時 開演:19時30分
会場:BLUES ALLEY JAPAN(東京 目黒)

公演情報 ご予約はこちらから

アレン・ヴィズッティ トーク&パフォーマンス

2018年1月24日(水) 
開場:18時 開演:19時
出演:アレン・ヴィズッティ(トランペット) 大山宮和瑚(ピアノ)福田徳久(ヤマハ株式会社)
会場:グランフロント大阪うめきたSHIPホール(大阪 梅田)
料金:2,500円(税込・全席自由)
お申し込み:
株式会社ヤマハミュージックジャパン
鍵盤・管弦打営業部 営業推進課   
TEL 06-6649-9101
(月~金 10:00~17:00 ※祝日・弊社指定休業日を除く)

石井 真さんのご紹介

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石井 真(いしい まこと)
1978年東京生まれ。小学校でトランペットを始める。国際基督教大学在学中、ICUモダンミュージックソサエティで演奏しコンテストで入賞。卒業後、藤崎邦夫とジャガーノート、見砂和照と東京キューバンボーイズ、Z EXPRESS BIG BANDなどに所属。レコーディング、ツアーサポートのほか、トランペット関連の通訳や翻訳を通じて国内外のプレイヤーとの交流も深い。

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