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トークと演奏でピアノの魅力を満喫。「デビュー30周年記念Vol.2 仲道郁代 トーク&コンサート~ピアノの音の向こう側に何を聴く?~」~2017年11月15日開催~

トークと演奏でピアノの魅力を満喫。「デビュー30周年記念Vol.2 仲道郁代 トーク&コンサート~ピアノの音の向こう側に何を聴く?~」~2017年11月15日開催~

デビュー30周年を迎えたピアニスト・仲道郁代さんのトーク&コンサートが、2017年11月15日(水)にヤマハ銀座コンサートサロンで行われました。このイベントは、ヤマハミュージックメンバーズ会員のために企画され、多くの申し込みの中から抽選で選ばれた方々が参加しました。
ゆるいカーブを描くサロンの室内は、木の温もり感じられ落ち着いた雰囲気を醸し出しています。ピアノを囲んで弧を描くように椅子を並べ、ピアノから客席までは2メートルも離れていないくらい。演奏者の息づかいまで伝わってきそうな距離感は、サロンコンサートならではといえます。

 司会者からの紹介の後、仲道さんが登場。参加者の皆さんが温かい拍手で迎えます。プログラムは全5曲で、シューマンが3曲、そしてリストとブラームスが1曲ずつという内容です。
 「今日のテーマは“恋・ロマンチック”。シューマンは、デビューの頃によく弾いていた私にとって青春の作曲家。今日は青春アゲインという感じですね」と言って、1曲目に弾いたのは『アベッグ変奏曲 op.1』。この日は、演奏する曲目ごとに、仲道さんが解説を交えながらその曲への思い入れを語り、さらに演奏が終わった後にもトークと質問コーナーを設けるというスタイル。最初の方はまだ皆さんにも緊張があるのか、質問も遠慮がちでしたが、仲道さんがユーモアを交えながらなごやかにお話されると徐々にリラックスした感じに。
 「ホールで弾くのと、このようなサロンでは弾き方も変わりますか」という質問には、「ピアノの調律も違いますし、弾き方も違ってはきます。それに、ホールの大きさにあった弾き方をしているうちにピアノも自然と音が変わっていくんですね」と答えつつ、弾き方の違いなども実践してくれました。

2曲目のリスト『愛の夢 第3番 変イ長調 S.541』では、シューマンとリストの違いを解説。「シューマンはお客さんを意識していない、自分の思いだけで曲を作っている気がします。でもリストは絶対意識していると思いますね。『さあ、聴いてください!』って」と、演奏者ならではの視点で話してくれました。
続いて3曲目は「これは、このサロンのようなところでしみじみ聴くと本当にいい曲ですね」とブラームスの『6つの小品 op.118より 第2番 間奏曲 イ長調』を披露。目を閉じて音に聴き入ったり、仲道さんの手元にじっと目を凝らしたりと、皆さんそれぞれのスタイルで楽しまれています。演奏後には仲道さんから、「近くの方に『あのね』と、話しかけるような感じで弾く音楽ですね」とのコメントがあり、皆さん頷いていました。

4曲目のシューマン『幻想曲 ハ長調 op.17』では、仲道さんが参加者の皆さんにアンケートをし、1楽章ごとにトークを入れることに。シューマンとクララの恋のエピソードとともに、「この幻想曲はシューマンがクララにあてたラブレターだと思うんです」とお話されたあとに、演奏を披露。1楽章ごとにシューマンのどんな気持ちが込められていたのかを語ってくれました。
最後はシューマンの『3つのロマンスより 嬰ヘ長調 op.28-2』。「シューマンの結婚が決まってからの曲」とのことで、「同じ音が続くのは永遠を表すと言われています。実は言葉のように音にも意味があるんですよ」という解説に皆さんも感じ入った様子でした。
演奏が終わると仲道さんと皆さんで記念撮影。小学生の参加者の方からの花束プレゼントに、仲道さんもとても喜んでいました。さらにグループごとに仲道さんと写真の撮影会をし、サイン会を行って終了となりました。
お母様と参加された小学生の女の子は「すぐ近くで演奏を見られてとてもよかったです。弾き方の違いなども勉強になりました」と嬉しそう。また、ピアノを習っているという女性の方は「サロンコンサートは初めての経験。雰囲気も素敵ですし、近くで生音を聴けてとてもよかったです」と話してくれました。いろいろなコンサートによく行かれるという男性は「トークを交えたコンサートは、演奏者の方の考え方や人柄、それにバックグラウンドなどに触れることができて、ホールコンサートとはまた違う魅力がありました。仲道さんの歩んでこられた道も伺えてとてもよかった」と充実した様子でした。

 仲道郁代さんの演奏はもちろん、サロンという空間を存分に活かした選曲とトークで、皆さんの心に深く残るイベントとなりました。

開催概要

<タイトル>
デビュー30周年記念 Vol.2 仲道郁代 トーク&コンサート ~ピアノの音の向こう側に何を聴く?~

<日程>
2017年11月12日(日)15:00開演
ヤマハ大阪ビル ヤマハなんばセンターサロン アルモニー

2017年11月15日(水)19:00開演
ヤマハ銀座ビル6F ヤマハ銀座コンサートサロン

<出演>
仲道郁代(ピアノ、お話)

<プログラム>
シューマン/幻想曲 ハ長調op.17
第1楽章 どこまでも幻想的にかつ情熱的に演奏すること
第2楽章 中庸に。どこまでもエネルギッシュに
第3楽章 ゆるやかに演奏すること。どこまでも静けさをたもって
シューマン/3つのロマンスより 嬰ヘ長調op.28-2
シューマン/アベッグ変奏曲op.1
リスト/愛の夢 第3番 変イ長調S541
ブラームス/6つの小品 op.118より 第2番 間奏曲 イ長調

<参加費>
プレミアム会員3,000円、スタンダード会員4,000円 (税込・自由席)

<定員>
各会場 50名様
文 佐藤雅子
写真 阿部雄介

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