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【イベントレポート】金属板から楽器を生み出す魔法のような技に目を見張り、 ミニコンサートに陶酔した「管楽器づくしの旅」 ~ 2016年9月13日(火)開催 ~

管楽器づくしの旅2016秋

管楽器ファンにはたまらない「管楽器づくしの旅」ツアーが、2016年9月13日(火)に開催されました。これは音楽を楽しむ方のための会員組織として発足した「ヤマハミュージックメンバーズ」会員限定イベントの第1回。管楽器の歴史を学び、楽器を製造する現場を見学し、プロミュージシャンによる演奏も楽しめるという、他では味わうことができない多彩な内容です。遠方からも含め、多数のご参加をいただき、驚き・感心・感動を織り交ぜたホットな1日となりました。

当日は雨の心配もありましたが、浜松駅に集合した午前9時30分頃には、雲間に太陽がのぞき、天候も味方する中、いざバスに乗って出発!雄大な天竜川を左手に臨みながら、磐田市の豊岡工場へ向かいました。

豊岡工場の広さは東京ドーム4個分。それぞれの楽器ごとにエリアが分かれ、年間10万本の管楽器を製造しているヤマハ管楽器の一大製造拠点です。工場見学に入る前に、管楽器の製造工程の概略をビデオで学習。予備知識を携えて製造現場に入ることで、細部への興味も湧き、見学する姿勢にも自然と熱がこもります。

一枚の金属板に少しずつ圧力をかけながら、筒状や朝顔状にしていく工程の見学では、皆さん目を皿のようにして注目していました。大型機械が並ぶ“いかにも工場”のような場所もあれば、アトリエのようなブースもあり、風景もさまざまです。参加者の一人で、フレンチホルンを40年演奏しているという男性は、ご自分が持っている楽器がどのように作られているのか興味があったそうです。「機械にすべて頼ることなく、人の手で細かく調整されている様子を見ることができ、楽器に対する愛着がさらに増しました」と話してくれました。

また、とても熱心にメモをとっていたのは、市民吹奏楽団でオーボエを演奏しているという女性。「どの説明を聞いても普段知ることができない新鮮なことばかり!ひとつたりとも聞き逃したくなかった」とのこと。アメリカ駐在から一時帰国中というご夫婦は、奥様がクラリネットを嗜み、ご主人が最近サクソフォンを始めたばかり。管楽器について深く知ることができるちょうど良い機会になった、と喜んでいました。

ホルン製造の最終工程である吹奏テスト風景を見学していた時のこと。作業員の方がさりげなく『大きな古時計』のメロディーを吹き始めたと思ったら、隣の方も立ち上がり、一緒に合奏してくれるというサプライズ演奏がありました。これには参加者も拍手喝采!クラフトマンたちの小粋な心配りに感動してしまいました。

工場見学の後は、オークラアクトシティホテル浜松でランチバイキングを堪能し、浜松市楽器博物館へ。館長の嶋和彦さんによる「管楽器の歴史」についてのレクチャーが行われました。管楽器のルーツを探るために登場したのは、ビニールの筒をはじめ、竹や動物の角など。「筒状のものを手に取ると、人間はどうしても口を当てて吹いてみたくなるんです笑」。ユーモアを交えながらの解説を聞くうちに、管楽器が、現代の姿形・音に洗練されていく過程を理解することができました。

最後はオーボエ奏者の三宮正満さんによる「16世紀から21世紀のオーボエ」ミニコンサートです。テーブルには三宮さん愛用の、時代ごとに姿形の異なるオーボエが並べられ、その吹き比べとともに演奏がスタート。オーボエが誕生した時代は、国ごと、地方ごとに特有のキーシステムが用いられていたそうです。伴奏はクラビノーバでピアノ、チェンバロなど音色やピッチ(音程)を変えながらの演奏となりました。家族4人で参加されていた方は「それぞれの時代によるオーボエの音質の違いと、それにまつわる歴史がよくわかりとても楽しかった」と、貴重な聴き比べの機会に満足の様子でした。

コンサートの後は館内を自由に見学し、ツアーは終了。見て、知って、聴いて、たっぷりと管楽器の魅力を堪能した、まさに「管楽器づくし」の一日となりました。

 初回公開日時:2016.10.06
最終更新日:2019.04.17

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