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【イベントレポート】世界的トランペッターの演奏とここでしか聴けないトークを堪能!「クリストファー・マーティン トーク&コンサート」 ~2018年8月6日開催~

【イベントレポート】世界的トランペッターの演奏とここでしか聴けないトークを堪能!「クリストファー・マーティン トーク&コンサート」 ~2018年8月6日開催~

憧れのアーティストに会える会員限定イベント

2018年8月6日(月)、ヤマハミュージックメンバーズ会員限定イベント「クリストファー・マーティン トーク&コンサート」がヤマハ銀座コンサートサロンで開催されました。
現在、ニューヨーク・フィルハーモニック首席トランペット奏者であり、アトランタ交響楽団、シカゴ交響楽団の首席奏者を歴任してきたクリストファー・マーティンさん。トランペット奏者はもちろん、世界のクラシック愛好家たちが注目する憧れの存在です。
その演奏だけでなく、日ごろは聞くことができないトークや写真撮影、サイン会まで楽しめる貴重なイベントとあって、会場は期待に胸を膨らませる参加者で埋め尽くされました。

世界的トランペット奏者 クリストファー・マーティンさん登場

大きな拍手で迎えられ、ステージに姿を現したマーティンさんとピアノの林浩子さん。バッハの『協奏曲 ニ長調』を演奏し、澄み切った華麗な音で聴き手の心をいきなりわしづかみにします。
「ありがとうございます」という日本語を交えた挨拶では、その人柄でも会場を魅了。その後、ドラマティックで楽しい曲調のA.オネゲルの『インストラーダ』、M.ビッチュがトランペットとピアノのために書いた『D.スカルラッティの主題による4つの変奏曲』、E.ザクセの『コンチェルティーノ 変ホ長調』、P.スパークの『ソング・アンド・ダンス』と続いた演奏に会場中が心酔。世界最高峰の技術と表現力で、圧倒的な魅力を放ちました。

コンサートの最後を飾ったのは、2012年に公開されたスピルバーグ監督の映画『リンカーン』より『何者にも悪意を向けず』。『リンカーン』の映画音楽は巨匠ジョン・ウィリアムズが手がけ、マーティンさんを含むシカゴ交響楽団が演奏。サウンドトラックも話題になりました。この日は勇気をテーマに掲げたこの楽曲で、壮大なスケールを感じさせるパフォーマンスを披露。鳴りやまない拍手が、今回のステージのすばらしさを物語っていました。

「姿勢や体の使い方も間近で見ることができ、とてもいい経験になりました」と話すのは、音大でトランペットを専攻しているという参加者。演奏終了後も皆さん、興奮冷めやらぬ様子で、「中学校から社会人の今にいたるまで、自分もトランペットをやっているので憧れの存在です。仕事を休んできた甲斐がありました(笑)。至福のときでした」「娘は学校で、私は地域の吹奏楽団でトランペットをやっています。マーティンさんをこんなに近くで見られるなんて感動。本当に尊敬しているし、すごく嬉しかったです」といった感想が聞かれました。

上田じんさんとのトランペッター同士のトーク

続いて、休憩をはさんで始まったトークでは、聴き手としてトランペット奏者の上田じんさんが登場。トランペッター同士の会話が、どのように展開されるのか楽しみです。
「皆さんと同じように演奏とトークを前から楽しみにしていました」と冒頭で語った上田さんは、まずはトランペットを始めたきっかけについてマーティンさんに質問。マーティンさんは、バンドディレクターでフレンチホルン奏者だった父親の影響でフレンチホルンを始め、その後トランペットに転向した経緯や、子どものころに属していたバンドでの経験などを紹介しました。
さらに、多くの有名奏者を生んだ名教育者、チコヴィッツから学んだこと、オーケストラプレーヤーになりたいと思ったきっかけ、フィラデルフィア管弦楽団やアトランタ交響楽団、シカゴ交響楽団での思い出など、マーティンさんが歩んできた道のりについて質問すると、興味深いエピソードが次々と飛び出します。

ニューヨークとシカゴを行き来し、今回も前日まで「浜松国際管楽器アカデミー&フェスティバル」に教授として参加するなど異国での活動も多いマーティンさん。上田さんがコンディションを保つ秘訣を訪ねると「常に練習すること」という明快な答えが返ってきました。「ハネムーンのときもトランペットを持って行ってビーチで練習しました」と話すマーティンさんに「トランペッターとしてとても共感できるんですが、奥さんは嫌な顔をしませんでしたか?」と上田さん。「少し」という言葉に、会場は大爆笑に包まれます。

また、今回のコンサートで使用したのは、すべてヤマハのトランペットであり、「私にとってはヤマハが自分の声、アイデンティティであるという気がしています」とマーティンさんが語ると、質問はさらに核心へ。
「誰もがそれを使うとクリストファーさんのようになれるとは思っていないのですが、トランペッターとしてはマウスピースは気になるところです。ご紹介いただけますか?」
会場の人々が目を凝らすなか、マーティンさんはマウスピースのBカップとCカップを吹き分けて説明。「現代のトランペット演奏で重要なのは、クラシックだけでなくポップ・ミュージックや映画音楽、ジャズに近いものなども吹けるということです」とジャンルによるマウスピースの使い分けについてもレクチャーしてくれました。
最後に参加者の方から「楽にタンギングの練習をするための方法」や「基礎練習」について質問があると、マーティンさんは演奏も交えながら丁寧に回答してくれました。

参加者全員で記念撮影&サイン会

トークの後は参加者全員、そして6人ずつのグループでマーティンさんを囲んで記念撮影。CD購入者を対象に行われたサイン会も盛況でした。

参加者の方からは、「幼いころからどうやって勉強されてきたか、今どういった生活を送り、どういう練習をされているのかといったお話がとても参考になったし、これから自分に活かしていきたいと思いました」「小さい空間で見て聴けて、とっても贅沢な時間でした。トークも目当てのひとつ。雑誌などで記事を目にすることはありますが、生の声で聞けるのはとても良かったです」「浜松で昨日までの5日間のレッスンも受けました。レッスンもすごく丁寧でわかりやすく、練習法なども教えてくださり、人柄が演奏に出ていると感じました」といった声が聞かれました。

トランペッターや管楽器愛好家にとっては、大きな刺激になったよう。そして、会場に足を運んだすべての人々の心を豊かにしてくれるイベントとなりました。

 

文 福田素子
写真 宮地たか子

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