< >

記事

厳選した音楽関連の記事をピックアップ!

LANDMARK BLUE(Z BLOG 菅野 浩)

2014年に発売された僕のアルバムで『LANDMARK BLUE~ぼくたちのララバイ』(T5Jazz Records)がある。

最悪を超える最悪ってあるもんだ。

1980年代のバブル景気が終わり長いこと景気が低迷する中、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災と日本経済にとって大打撃となる出来事が次々と起こった。リーマンショックと東日本大震災の二つは僕にとっても間違いなく大打撃だった。
東日本大震災においては日本中が自粛ムードに包まれ、大きなイベントや公演、催事などはことごとく中止になり、我らミュージシャンは軒並み仕事を失なった。大震災直後の時期に出演予定していた東京・新国立劇場でのバレエ作品『テイクファイブ』の公演も延期になってしまった。これはポール・デスモンドをずっと研究してきた僕にとってはまたとない大仕事のはずだった。あの「Take Five」を収録したアルバム『Time Out』をアルバムごとバッキングのリズムセクションまでも完コピし、生演奏の上でバレエダンサーが舞う、イギリスのバレエ作家D.ビントレー氏の作品。
こんな大仕事が延期になってしまった。
この時の落胆ぶりは半端なかった。
私的なことだが、僕は大震災の前年末に父を亡くしている。
そんなことが相まって2011年はかなりモヤモヤした気持ちで過ごしていた。おそらく2013年頃まで引きずっていたかな。
最悪を超える最悪ってあるもんだ。

その間、自由な時間もできた(暇になった)ので自分のこれからのことなど人生観を見つめ直す時期となっていた。

この頃決断したことは、追求しているものはとことん追求しよう。これだけだった。
具体的には、ポール・デスモンドとハーモニカその両方に熱を入れてみた。
すると、先のブログ(11/5「【Z BLOG】菅野 浩:宮野裕司さん」)でも紹介した宮野裕司(as)氏との親交は深まり、幸いなことに2011年の秋には『Alto Talks』をリリース。
2012年にはハーモニカを練習しまくった。
2013年1月にはこれまた幸いなことに、延期となった『テイクファイブ』の公演が無事行われ、心のモヤモヤが一気に解放された。
Yamahaではサックスの82Zがモデルチェンジしたのもこのタイミング。(2014年にYAS-82ZSを購入)
そろそろポール・デスモンドばっかり見てないで色々やってみたい。何か大きく変わりたいという気持ちが大きく膨らんだ。
 

アルバム『Landmark Blue』制作

そして本題の『Landmark Blue』の制作のお話が舞い込んできたのがちょうどこの時期。

制作に際し、T5Jazz Recordsレーベルの清水氏には心残りのない良い作品を作ろうと尽力していただいた。僕の“好き”を丁寧に拾い上げていただき、更にはシンガーソングライターの高田みち子さんを加えようと提案してきた。高田さんはソニージャズレーベルからメジャーデビューしているアーティスト。高田さんの歌唱とオリジナル楽曲は正に僕の“好き”のど真ん中だ。その後、アルバム参加を快諾してくれた彼女に、既存のオリジナル楽曲を録り直したいと伝えると、新曲書きます!との返事。

まじか。
しかも僕のために!

僕の父はスカーフのテキスタイルデザイナーとしてその昔横浜で活躍していたこと、僕も横浜の遊覧船や有名ホテルのラウンジで定期的に出演していたことがあるので、横浜には何かと縁があるという内容をメールで彼女に送った。
そして出来上がったのが、
「Landmark Blue」
「ぼくたちのララバイ」
の2曲。
どちらも歌詞は日本語。「レンガ道」「スカーフ」「遊覧船」「Landmark」「汐風」など横浜で僕が関わってきたキーワードが散りばめられており、ビシビシくる内容。
録音メンバーも、僕の“好き”を元に下記のメンバーが集められ、皆、とても良い音を残してくれた。
菅野 浩 - Sax, Harmonica
高田 みち子 - Vocal
小林 岳五郎 - Fender Rhodes, keyboards
佐津間 純 - Guitar
工藤 精 - Bass
藤井 伸昭 - Drums
高田さんの曲以外には、ジャンルに関係なくバラードを中心とした選曲。
2014年に発売されたこのアルバムは僕の愛聴盤となった。
T5Jazz Recordsの清水氏をはじめ制作に関わった方々には心より感謝の気持ちでいっぱいです。

【T5Jazz Records】
 オフィシャルサイト→ http://www.t5jazz.com/

現在は、高田みち子さんとギターの佐津間純くんと3人で横浜のライブハウスに出演しています。
横浜でひと遊びしたあと是非ともお立ち寄りいただきたい空間です。

【Landmark Blueライブ】
2月10日(日)@横浜「491HOUSE」
 オフィシャルサイト→ http://www.asahijazz.net/liveinfo/491.html
菅野浩(as) 高田みち子(vo) 佐津間純(g)
%E5%86%99%E7%9C%9F2.jpeg

僕個人の私的感情が日本語の歌にふんだんに織り込まれてるこのアルバム、サックス奏者としてのアルバムなんだけど、こういうのあってもいいよね。

記事の一覧に戻る