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歯(Z BLOG 菅野 浩)

皆さん、歯のメンテナンスはどうしているだろうか。
僕は1日2回朝晩の歯磨きのみ。

人によっては、
管楽器奏者なので毎食後の歯磨きと、デンタルフロスを使って歯垢の除去につとめ、月に一回は定期検診に行ってクリーニングして、人前で話したりすることも考えるとホワイトニングもたまにして、何かあった時のために信頼できる歯医者さんに自分の歯型を取ってもらい大切に保管している。

という人もいるかもしれない。

僕の歯並びはというと、歯は通常より3本少なく、親知らずの位置に問題なく1本生えている。
細かく説明すると、奥歯から3つ目の歯が右上、左上、左下の3箇所無い。そこにはブリッジをかけている。そして左上の親知らずの位置に普通に1本生えている。
 

歯の大改修工事


高校生のとき、割り箸の先にぐるぐる巻きにされた粘着力の強い水飴を舐めていたら、いきなり歯が割れてしまった。歯の破片が水飴について出てきたときの痛い姿は忘れられない。。
驚いて歯医者さんに診てもらうと、これは永久歯に生え変わらずに残った乳歯で、他にもまだ乳歯が2本あるとのこと。。
もう、そこからが大変で、歯の大改修工事が始まった。
欠けた乳歯を抜き、その両脇の歯に金属製の蓋をかけ、その金属と欠損した歯のところにはめる義歯を結合して橋をかけるようにして欠損した歯を補うとのこと。このブリッジをはめ込むという作業が3箇所も。。
欠損したところの両脇の蓋をかける歯は、その蓋の厚み分容赦なく削られた。
当時の僕は、ミュージシャンに憧れるただの高校生。これで将来のその選択肢は絶たれてしまうのか、どうなってしまうのだろうか、と思いきや、全ての治療が終わると、何のことはない、普通にサックス吹けた(笑)

そしてあーだこーだして、ミュージシャンとしての生活が何とかなっていた30歳くらいのころ、歯にはもうちょっと気を配ろうと思い、再び歯科医を訪ねると、このブリッジを全て交換したほうが良いとのこと。
それは将来を見据えての歯科医の判断。
とても納得する説明を受けたので、快く応じた。
丁寧な治療と、歯ブラシでのブラッシングの仕方、デンタルフロスの使い方なども教わった。
仕上がったブリッジは完璧。
これまたサックスは普通に吹けた。
蓋をされた6本の歯は金属に覆われており、欠損した3本は義歯のため、ブラッシングすべき箇所は割と少ないので、ブラッシングを充てて歯垢を取り去るべき箇所は少ない。

そんなこんなで、朝晩集中してブラッシングを行うだけで今現在も良好な状態を保っている。
 

出したい音が出る「型」は、自分で見つけるもの


さて、管楽器奏者と歯について考えてみよう。
歯がボロボロだった管楽器奏者は、ジョン・コルトレーン(ts)とチェット・ベイカー(tp,vo)が思いつく。この二人の歯がなぜボロボロになってしまったかはさておき、まずコルトレーンについて考えてみよう。
彼はどうやら長いこと歯痛に悩まされていたそうですね。
奏法はダブルリップ奏法。
歯痛が先かダブルリップが先か、そこのところはわからないのだけど、歯がボロボロでもサックス奏者にはダブルリップ奏法ならやっていけるという道が残されている、と考えられないだろうか。
また、チェット・ベイカーにはボーカリストという顔もあるが、歯が欠けたあと一時期演奏活動を休止したが、入れ歯を入手して復帰した彼のトランペットの演奏は、これまた味があって良いと捉えられないだろうか。

まぁ、金管楽器は詳しくわからないので他にも色々と考察するべき点はあるだろうが、歯は無いと困るけど、困った先何をするかで決まるような気がする。

僕の場合、最初に衝撃的な自分の歯の状況を知ったときは、チャーリー・パーカーに入れ込んでいた時期。
その頃は、彼のアンブッシュアは左右対称では無いことから、写真ではわからない歯並びや口の中の形、アゴの骨格などについて想像を膨らませていた。
彼は彼が望む音が出る「型」を、中心からずれた位置に自分で見つけたに違いない。
アンブッシュアを含む、出したい音が出る「型」は、自分で見つけるものだと思う。
見つけた者勝ちだ。
皆、好きに探求すれば良いと思う。
何が言いたいのかというと、自分の「型」を見つけ出す作業を自ら常日頃行っていれば歯並びや噛み合わせが変化したからといってもあまり気にすることではないと思う。
当時からそう思っていたから、難なく新しい口内環境に対応できたのだと思う。
僕はシングルリップなので上の歯はマウスピースに当てているが、歯の当たる位置は右側に寄っている。前歯が不揃いだからだ。
前歯を削ったりしようとは思わない。
それが僕の「型」だから。

ジョン・コルトレーンもチェット・ベイカーも歯が悪いことを個性に変えたとも考えられる。
ジャズ界では自分に個性が無いのが不安でしょうがないという者もいるみたいだ。
全てを個性として受け入れられる音楽としてジャズ近辺の音楽をしていて良かったと思う。
歯が悪い故に自分なりの奏法を確立さえすればそれはすなわち個性なのだから。

歯は食生活に困らない程度整っていれば良いと思う。あ、金管楽器は詳しくわからないので悪しからず。

余談だが、Sonny Boy Williamsonというイカした10ホールズハーモニカの名手がいるが、彼の前歯は無い。

もし僕が前歯を失ったらダブルリップ奏法にチャレンジするかハーモニカ奏者として頑張ろうと思う。

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