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ジャズトリオを体験し“音の会話”の楽しさを肌で体感!「国府弘子の楽しいジャズピアノ入門 ~アナタも、楽譜から自由になれます!~」 (2019年3月21日開催)

ジャズトリオを体験し“音の会話”の楽しさを肌で体感!「国府弘子の楽しいジャズピアノ入門 ~アナタも、楽譜から自由になれます!~」 (2019年3月21日開催)

国府弘子さんによるワークショップ型のジャズピアノ講座を開催

2019年3月21日(木・祝)、ヤマハ銀座コンサートサロンで、ヤマハミュージックメンバーズ会員限定イベント「国府弘子の楽しいジャズピアノ入門 ~アナタも、楽譜から自由になれます!~」が開催されました。
クラシックで磨いたテクニックにジャズ、ロック、ブラジル音楽など豊富な音楽経験をブレンドした演奏で聴き手を魅了する国府弘子さん。今回のワークショップは、そんなピアノ界のスーパーレディと「国府弘子スペシャルトリオ」を結成するベーシストの八尋洋一さん、ドラマーの岩瀬立飛さんとジャズトリオを体験しながら、アドバイスを受けるというものです。

ヤマハ銀座コンサートサロンはスペシャルな空間に

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演奏者のプレイを間近で楽しめるヤマハ銀座コンサートサロンですが、この日はプレイヤーとオーディエンスの一体感がさらに高まるセッティング。国府さんがこよなく愛するヤマハコンサートグランドピアノCFXを中心に、ベースとドラム、電子ピアノが配され、さらにそれをぐるりと椅子席が取り囲む、まさに360度ステージです。
登場した「国府弘子スペシャルトリオ」は、さっそくジャズのスタンダード・ナンバー『A列車で行こう』を披露。あうんの呼吸で繰り広げられる音の対話に、会場の空気は一気に熱を帯びます。
クラシックのお稽古は続けてきたけれど、楽譜通りに弾くだけでは物足りない。もっと楽しくピアノを弾きたい!今回のワークショップは、そんな方が対象。多数の応募の中から抽選で選ばれた50人の参加者のうち、5人が体験レッスンを受けます。
「レッスンを受ける方の勇気をたたえつつ、見ている人も一緒にそれを体験していただこうと思い、知恵を絞りました」と国府さん。
今回のワークショップでは、事前に楽譜を渡さないのがお約束です。「渡すと練習してきちゃうから(笑)。予定通りうまくいったから大成功ということではなく、即興という音のおしゃべりを楽しんでほしいと思います」(国府さん)
そのため、簡単なコードだけでアドリブができるように考え抜かれた5曲が用意されました。
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5人が即興にトライ

まずは、レッスンを受ける5人が自己紹介がてら自由にピアノを演奏。いずれもクラシックを中心に演奏してきた背景があるとはいえ、年齢やピアノ歴、キャラクターはさまざま。実はこのオリエンテーションは、国府さんが用意してきた5曲をどう振り分けるかを決めるためのものでもあるのです。
笑いあり、共感あり、思わず聴き入ってしまう場面あり……。「このまま合宿でもしたい感じ」という国府さんの言葉が象徴するように、早くも会場には一体感が生まれ始めます。

休憩をはさんでトップバッターに指名されたのは、今回の最年少である12歳の女子中学生。用意されたのはブルースで、Gのキーで12小節のブルースのコード進行に挑戦します。
クラシック以外のピアノは初めてだというのに、いきなり!?でも大丈夫!使うのは基本的に右手だけで、伴奏は国府さんが担当することに。
国府さんのアドバイスを受けてセッションがスタートすると、即興で自由にメロディーを奏で、ブルースの“引き出し”を増やしていきます。みるみる上達していくのに伴い、トリオも会場も大盛り上がり。「これはほんの入り口だから、どんどん扉を開けて入ってみてください」と国府さんもビッグスマイルを見せました。

次に挑戦するのは、クラシックピアノの先生をしつつ、ジャズピアノも習い始めたという女性。譜面から離れてのアドリブはできないと話していたこちらの女性のお題は、『マイ・フェイバリット・シングス』のエンディングのアドリブです。
「まずは、ふたり(ベーシストとドラマー)の音を聴くこと。大切なのは、相手の立場になって考え、想像力を働かせること」と国府さんからアドバイス。カウント出しからリタルダンド(だんだんゆっくり)して終わるまで、トリオと音の対話を楽しみました。

3番目に登場した男性がチャレンジするのは、国府さんのオリジナル曲『レディ・ムーンライト』から、かぐや姫が月に帰っていくシーンを表現した部分。EマイナーとCのコードで、すばらしい即興を披露しました。
国府さんも「ナイストライでした。自分のピアノから聞こえてくる気持ちいい音を選んでいたと思うんです」と称賛します。
 
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休憩をはさんで、次にレッスンを受けたのは、ふだんはこども園で子どもたちと歌っているという女性です。彼女に用意されたのは、ラテン調の『テキーラ』で、使うのはG7のコードのみ。いろいろなフレーズがわき出てくる彼女に、国府さんはさらに「即興をするときには同じフレーズを繰り返したらいけないと思いがちだけれど、いいフレーズを思いついたら、それを何回も繰り返すのはいいこと」とアドバイス。陽気でノリのいい曲と息の合った即興で、会場には「テキーラ!!」のかけ声が。

トリを務めたのは、自己紹介の際「フラメンコやブラジル音楽に興味がある」と話していた女性。用意されたのは、こちらも国府さんのオリジナル曲である『ミス・アミーゴス』で、使うコードはEマイナー。「ピアノフラメンコをやりたくて、聴いたり練習したりしている」そうで、見事な即興で会場を魅了します。
トリオ+国府さんの絶妙なかけ合いに会場全員の手拍子と歌声も加わり、会場は熱気に包まれました。
 
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交流を楽しみたい。そんな国府さんの気持ちが詰まったイベントに

「今日は私自身、あらためて思い出させたもらったことがたくさんありました。思い通りにはならないこともあるけれど、想像をはるかに超えて面白いことが起こるのが即興です」と国府さん。
最後に国府弘子スペシャルトリオによる『さくらだより』が演奏されると、桜が散り乱れるさまがありありと浮かぶような情景的な音楽に会場中が酔いしれました。

レッスンを受けた方からは「楽しかった!」「こんなにいきなりアドリブを弾かされると思っていなかった(笑)」「理論から入らないところがいいなと思いました」「国府先生のワークショップには何度か参加しているのですが、ピアノはもちろん、ご自身がエネルギッシュなのでエネルギーをもらえます」などという感想が。
会場でレッスンを見守った方々は、レッスンの疑似体験を存分に楽しんだよう。「自由に弾くピアノを始めるきっかけになりそう」「短時間でとても簡単なことをやっているのですが、みなさんそれを自分のものにして、どんどんアレンジを加え、広がっているところがすばらしい」「ふだん伴奏をしているので、どうやって機転をきかせるか、勉強になりました」といった声が聞かれました。
コンサート活動で全国を飛び回っている国府さんが大切にしているのは、ピアノを弾くのが大好きな方との交流の時間。そんな気持ちが詰まったイベントに参加者のみなさんは大満足だったようです。
文 福田素子
写真 宮地たか子

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