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緊張と脳科学(Z BLOG 菅野 浩)

引っ込み思案な性格


小学生の頃、家庭訪問でやってきた先生が親と話している会話の中に「消極的」という言葉があった。その言葉の意味を初めて理解したのはこの時だった。
僕はもともと引っ込み思案な性格。
人前で大声を出して場を仕切るなんて到底できなかった。
でも学校の勉強はそこそこできて運動も得意だったから、学級委員など重要な立場に就くことも多かった。学級会などで進行を仕切るのは本当に嫌いなことだった。

それは中学校に進学してもしばらくは変わることはなかった。
吹奏楽部へ入部しアルトサックスを始めることになり、日々練習に楽しく励んだが、上達するにつれて乗り越えなければならない壁にすぐさまぶち当たることになった。

人前で演奏しなければならない。。。
引っ込み思案で緊張しいの僕が。。
 

程よい緊張


困ったが、下級生の間は先輩の陰に隠れてなんとかやり過ごすことができた。
2年生後半になり、ひとつ上の3年生が居なくなった瞬間、1st吹かなきゃならない。
先生は小編成のアンサンブルコンテストに出ろって言ってくる。ふわぁ~なんてこった。。
そんな状況で臨んだアンサンブルコンテスト。
散々練習したにもかかわらず結果は不本意な銀賞。
本番中、曲が止まってしまったのがいちばんの原因だった。
そう、止まってしまった。確実に。。
途中で頭の中が真っ白になってしまい、2ndのひと学年下のHくんもつられて止まってしまった。
凍りつく瞬間だったがテナーのFさんが次の箇所から吹き出してくれたのでなんとか本編に復活できた。本当にあった怖い話である。
それ以降はもう必死に練習した。
中学校3年の最後の文化祭でのこと。
僕がフィーチャーされる曲をやることになった。ホイットニー・ヒューストンの「Saving All My Love For You」だ。邦題は「すべてをあなたに」。吹奏楽アレンジ。
本番では帽子を被ってカッコつけてみた。
もうあのときのヘマはしないぞと心に決めていた。難なくメロディを吹き、間奏の場面に来た。咄嗟に被っていた帽子をとり、観ていた同級生に向かって腕を大きく振ってみた。
すると割れんばかりの大歓声と拍手が。
気持ちよかった。
こんな経験初めてのことだった。
ほんとに気持ちよかった。
その瞬間いろんな緊張が緩んでいったのを今でも覚えている。この時ようやく人前で演奏することの味をしめた。
その後、演奏会やコンテスト、ライブなど、緊張する場面を数多く経験することになるのだけど、いつも緊張していた。がしかし、最近では頭が真っ白になる類いの緊張ではなく程よい緊張へと質は変化してきている。

脳科学にはとても興味があって、一時期その関係の本を読みまくったことがあった。中でも脳科学者の林成之さんの著書がとても印象深い。水泳の北島康介さんが金メダルを獲ったときに彼にアドバイスされていた方でもある。彼の著書では、脳の性質や働きを理解することによって最大のパフォーマンスを引き出せるようになれるとのことだ。脳が喜ぶ条件を日常的に作り上げる重要性を説いていた。そして意外だったのは、本番では緊張するべきとのことだ。程よい緊張が良い結果に繋がるとも。
なるほど、ならば自分はそれほど後ろ向きに考えなくても良いのではないか、と思うようになり、それ以後自らのパフォーマンスは上がったと思う。

脳科学は、科学的、医学的な見地からのものなので、とても論理的で明快。
僕と同じ悩みを抱えている人は是非読んでみてはいかがでしょうか。

1812_ZBlog_sugano.png菅野 浩(すがの ひろし)プロフィール
アルトサックス、クロマチックハーモニカ プレーヤー
小編成から大編成まで活動の幅は広く、自己のバンド「Totem Pole」「Alto Talks」「Landmark Blue」の他、「Gentle Forest Jazz Band」「in's」などのバンドでも活動中。
近年ではクロマチックハーモニカも演奏する。

【ライブスケジュール】
LANDMARK BLUE
・2019年6月2日@横浜「491HOUSE」
菅野浩(as) 高田みち子(vo) 佐津間純(g)
Alto Talks
・2019年6月16日(日)@国立「FUKUSUKE」
DUO with the guitar
・2019年7月23日(火)@横浜「491HOUSE」
菅野浩(as) 佐津間純(g)
guest 上野まこと(ts)

公式サイトのライブスケジュールはこちら!

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