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信用すること(Z BLOG 菅野 浩)

20代のころ先輩ミュージシャンに教わったことに次の言葉がある。

「演奏するときには“全てを信用する”こと」

これはどういうことかと言うと、
共演者を信用することは当然だが、そこにとどまらず、自分の楽器、目の前にある机、床、コップ、聴衆、ライプハウスのオーナー、空気など、その場にある人から物まで全てが自分の演奏をうまくサウンドさせてくれるものである、と信用するべきだという意味。
これは人間だけでなく、物質的なモノに至るまで「信用する」ということなのでいささか宗教がかった考えかもしれないが、そうではない。

■あまり馴染みのないお店で自分がアウェイなとき。
「このお客さんは僕の演奏を楽しんでくれるかなぁ、どうかなぁ。。」→×
「このお客さんたちは僕の演奏を楽しみにしているはず」→○

■初めて演奏するお店で仏頂面なマスターが出てきたら。
「怖っ、なんか俺ら煙たがられてるかも」→×
「このマスターはシャイなんだ。好意的なはず。出来ることを精いっぱいやろう」→○

■演奏中、目の前のお客さんが不意にグラスを手に取り飲み物を口に運んだとき。
「俺らの演奏飽きられてるのかな」→×
「我々の演奏に熱中するあまり喉が乾いたんだろう」→○

■そのグラスの氷が大きな音を立てたならば、
「うるせーなー」→×
「良いパーカッションだね!」→○

■演奏中にお店のドアが開きお客さんが入ってきた。
「演奏の邪魔しないように静かに入ってこいよ」→×
「映画の主人公が非日常的空間の扉を開けたシーンの演出ね、任せといて!」→○

■楽器が途中で壊れて一つの音だけ出ない時、
「あーもう最悪だー今日はもう終わりだー」→×
「この出ない音を効果的に遊び倒してやる」→○

■お腹痛くなってどうしようもなくなった場合。
「くっ、苦しいけどなんとかやり遂げる!」→×
「リズムセクションをフィーチャーした曲を急遽用意して自分はトイレへ」→○(結果としてメリハリのついた選曲構成に)

■お店の音場がデッド(響かない)なとき。
「ちょっとオーバーブローになっちゃうけど頑張って楽器鳴らすしかないか…」→×
「自分の呼吸でやろう」→○

■やたらと聴衆のテンションが高いとき。
「やばい、聴衆の期待に自分は応えられるだろうか…」→×
「ウケる!精いっぱいやろう!」→○

■ やたらと聴衆のテンションが低いとき。
「やばい、盛り上げられるかな…」→×
「みんなシャイだなぁ。でもこちらはやりたいことに集中出来るからありがとう。」→○

これらはすべての事象を「信用する」ことからきた発想の転換。正の方向へ勝手に変換して解釈しています。ある意味思い込みかもしれないけど、実はこれ、前回のZ BLOGで触れた脳科学に通じることで、脳を喜ばす為の考え方なのです。
これらの発想の転換ができれば余計な緊張をすることなくアウェイなステージでも良いパフォーマンスができると思ってます。

そうは言っても結局自分のことも「信用」できるようにしておかなければならないので、楽器の練習するしかないのかなと。
練習練習。。

1812_ZBlog_sugano.png菅野 浩(すがの ひろし)プロフィール
アルトサックス、クロマチックハーモニカ プレーヤー
小編成から大編成まで活動の幅は広く、自己のバンド「Totem Pole」「Alto Talks」「Landmark Blue」の他、「Gentle Forest Jazz Band」「in's」などのバンドでも活動中。
近年ではクロマチックハーモニカも演奏する。

【ライブスケジュール】
LANDMARK BLUE
・2019年6月2日@横浜「491HOUSE」
菅野浩(as) 高田みち子(vo) 佐津間純(g)
Alto Talks
・2019年6月16日(日)@国立「FUKUSUKE」
DUO with the guitar
・2019年7月23日(火)@横浜「491HOUSE」
菅野浩(as) 佐津間純(g)
guest 上野まこと(ts)

公式サイトのライブスケジュールはこちら!

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