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音量と楽器の重量(Z BLOG 菅野 浩)

楽器奏者にとっては、音量が大きいことはひとつ表現の幅が広がることなので、皆、大きい音を出せるようになろうとする。

電子楽器の発展に伴い管楽器は大きい音が出るモノがここ数十年開発されてきた。
サックスでも時代が経つに連れて楽器本体は大きくなり、より大きい音が出るモノが増えてきた。

楽器をしっかり鳴らしている音、通る音、どこでも聞こえる音

学生の頃、三田にあった「スイング三田倶楽部」に、ウィントン・マルサリス(tp)とウェス・アンダーソン(as)がライブ後にプライベートなジャムセッションをしにやってきた。どういう流れだったが覚えてないが、僕は運良くその場に居合わせていた。 店内は演奏者を取り囲むように半円状のカウンター10数席とテーブル席が10数席ある程度で、天井も低く、さほど広くはない空間だったと思う。そのような環境でウィントンとウェスの生音を至近距離で聴くという、なんとも恵まれた機会だった。 驚いたのはまず彼らの音量。
楽器が割れんばかりの鳴り方。ついでにお店というハコのあらゆるものを振動させていて、それはまるで全ての物質を味方につけているかのようだった。
(ウィントンの楽器はたしかモネで、ウェスの楽器は…覚えていない…。)
言葉で説明するのは難しいが、ppのニュアンスもよく聞こえる音がしていたし、ffのアクセントは頭を殴られた時のような衝撃を放っていた。
楽器をしっかり鳴らしている音、通る音、どこでも聞こえる音は、大きい音でも小さい音でも存在する。彼らの音はまさにそれだった。

「小さく聞こえる大きい音」
が有り、逆に、
「大きく聞こえる小さい音」
も有り、
「大きく聞こえる大きい音」
は当然有ったが、
「小さく聞こえる小さい音」
は無かったと思う。
「小さく聞こえる小さい音」
とは、蚊の鳴くような音のことで、遠鳴りしない音のこと。
音量が大きい音であっても、楽器が十分に鳴っていない状態で遠鳴りもしない音は、小さい音になると大抵ショボい音=「小さく聞こえる小さい音」になる。

46歳、どうする俺、走る?

話を戻して、楽器についてもう少し考えてみる。
ウィントンとウェスらに僕が追いついていこうとしたら、体格や筋力面における絶対的に追いつけない差があるのではないかと思ってしまう。
そんなわけで、楽器だけでも大きな器のものを、と思って現行のYAS-82ZS(今はYAS-82ZWOFプラレゾ仕様)に乗り換えた次第。 この楽器(YAS-82Zプラレゾ仕様)にはとても満足していて、鳴らそうと思えば大きな音は簡単に出るし、しっかりしたppも渋い音も出る。
しかし、ffで更にギアを踏み込んでも鳴らすことができてしまうために、今まで以上のトップギアでの演奏ができてしまうことと、楽器本体の重量が重いということで、じつは時折疲れている。。体力づくりに励まなければ…。

46歳、どうする俺、走る?

そこで思う。
重量があり、大きな器で大きな音を出しやすい楽器はかなり出揃ったと思うが、今後も更にその傾向は続くのだろうか?だとしたら次世代のプレイヤーはかなりの体力づくりに励まなければならないのではないだろうか?
これからは、重量が軽くても良質な大きい音が出る楽器が生まれる流れができても良いのではないかと思っている。

とりあえず現行品で重量が軽いものをサブ楽器として探している。
そして弄りまくりたい。

suganosan_prof.jpg菅野 浩(すがの ひろし)プロフィール
アルトサックス、クロマチックハーモニカ プレーヤー
小編成から大編成まで活動の幅は広く、自己のバンド「Totem Pole」「Alto Talks」「Landmark Blue」の他、「Gentle Forest Jazz Band」「in's」などのバンドでも活動中。
近年ではクロマチックハーモニカも演奏する。

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