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ヤマハの管楽器の生まれるところ・豊岡工場(Z BLOG 曽根 麻央)

ハママツ・ジャズ・ウィークに合わせて、半日のオフがあったのでヤマハの豊岡工場、そして掛川工場を初めて見学しに行って来ました! 工場のハシゴなんてなかなか出来ない貴重な体験なので少し書かせていただきます。

独自技術と職人技

豊岡工場は主に金管楽器、木管楽器、シンセサイザー、半伝導体などの製作、掛川工場は主にピアノの製作を行なっています。ピアノの掛川工場は一般の方でもツアーを申し込むことで公開されています。この記事では一般には公開されていない豊岡工場について書こうと思います。
 
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工場内は撮影厳禁という事なので、少し様子をお話ししたいと思います。

191105_sone03_03.png 豊岡工場内には幾つもの建物がありそれぞれ製造過程や楽器によって分かれています。その一つにまず入ると、金属音があちらこちらから響き渡っていました。真鍮を叩いて薄く伸ばし管楽器のベルを作っている音です。ヤマハはこの作業を一枚取り(ベルとその先の管が一枚の板で出来ている楽器)の高級品は手作業で、二枚取り(ベルとその先の管が別の鉄を溶接することで作られる楽器)はベルの部分と管の部分に分けて機械が自動で製作するようになっています。このベルの自動製作機もヤマハが自社で企画した機械だそうです。その隣にはマウスピースを自動で作る機械もありました。
出来たベルに刻印を押す作業はレーザーで行うそうです。レーザーで行う事で音色を損なわずに社印をベルに焼き付けることが出来るのだとか。そして、ベルに彫刻を施す彫刻師も3~4人ほどいました。

パーツとパーツは組み立てられて我々の知っている管楽器の形になりますが、ヤマハは鉛を含まないはんだを使用しているそうです。これは演奏者、製造者の両方の健康を損なわないためだそうです。

その後、バフという作業で徹底的に金属が磨き上げられます。高速回転する特殊な布に研磨剤をつけて、ほぼほぼ出来上がった楽器を押し当てて磨いていきます。初めて見た人にとってはかなり危険な作業なようです。この時点でラッカーやメッキを塗ったような輝きがあるのですが、金属(イエローブラスorゴールドブラス)そのものの色なのです。ここまで磨かないとラッカーを塗った際に綺麗にならないそうです。

バフで磨かれた楽器は厳しいチェックを受け、ようやくラッカーを施されます。まず洗浄し、そしてラッカーをかけます。ところでヤマハではこのような工業排水は、自社の浄化装置に通してから天竜川へ流すそうです。

ここまでの工程が終わると、ピストンの調整や諸々の組み立てがあり、最終のチェックがあります。この最終チェックに合格できない楽器は出荷されません。そして梱包作業を経て出荷されていきます。海外輸出もあるので、長期間メッキが変色しない工夫もされています。


余談ですが、クラリネットやオーボエの原材料となる木はアフリカの貴重な木だそうで、資源が限られています。専門の木材調達スタッフが居るのは勿論ですが、なんと植樹活動をするチームもいるそうで、20年30年後も安定して楽器作りを出来るように心がけているそうです。

1812_ZBlog_sone.png曽根 麻央(そね まお)プロフィール
トランペット奏者、ピアノ奏者、作曲家、音楽教育家
ジャズを基盤として日本の音やその他の民族音楽を融合させる、完成度の高い個性的なスタイルを持った日本人のトラン ペッター、ピアニスト、歌手、作曲家。また、トランペットとピアノの同時演奏という独特なスタイルでも知られている 。

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