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再会(Z BLOG 菅野 浩)

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先日、僕が卒業した中学校の創立60周年イベントに参加してきた。全卒業生対象の同窓会での演奏を頼まれたからだ。

アルトサックスとの出会い

僕がいた中学校は公立で、在籍した1986年4月~1989年3月は第二次ベビーブーム全盛期のため、吹奏楽部も人数が多く、吹奏楽コンクールでは50人編成のA組に毎年出場していた。バブル景気も全盛の頃で、増える部員にあてがう楽器も毎年増えていた。ティンパニやファゴット、マリンバなど、明らかに高額だとわかるものも学校の備品として購入されていた。もちろんそれらを初心者の中学生がタダで使うことができたなんて、いま考えるととても素晴らしい環境だった。
そんな状況で僕は、1年生の初めに吹奏楽部へ入部しサックスを希望。体が小さいとの理由でアルトサックスを担当することになった。
そこで渡された楽器がYAS-32。
以後、ずっとアルトサックスを吹いている。
中学での3年間はこのYAS-32、
高校時はSelmer SerieⅡ、
大学時~20年ほどSelmer Mark6
5年ほど前からYAS-82ZS
今年からYAS-82ZWOF(プラレゾ仕様)
という楽器遍歴をたどっている。

音楽で蘇る記憶

そこへきて今回の同窓会。
同窓会当日学校へ行ってみると、ちょうど吹奏楽部の練習があるというので開宴前に部室へ寄ってみた。部員に聞いたところ、私物で楽器を持っている人が何人かいるので、僕が使っていたYAS-32は誰にも使われずに保管しているとのこと。ケースを見つけて開けてみると記憶に残る姿よりはだいぶ老朽化したYAS-32が出てきた。
 
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なんとも言えない再会だった。
機械いじりが好きだったので、この楽器を手にしたときは家に持ち帰り分解したりして遊んだなぁ。
中2の移動教室では何故かサックスを携行してレクリエーションで吹いて豪快なリードミスかましたなぁ。
アンサンブルコンテストでは頭の中真っ白になって曲が止まったなぁ。
中3の文化祭で演った「Saving my love for you」は、人前で演奏する味をしめることになったなぁ。
当時の記憶が一瞬にして蘇った。
すぐさま吹いてみると、状態は悪いものの、なんとか演奏出来ることがわかり、細部をチェック。当然のようにC#、G#キーはベタつきまくりで、吸水シートを挟むとごっそり汚れが取れた。ここ数年でYamahaの過去の年代器種を散々吹いていたので、この型はこういう作りだったのかといろいろ再確認。
吹けば吹くほど、この日はどうしてもこの楽器で演奏したいという衝動に駆られた。
その間ずっと中学生たちに囲まれてわいわい。
この時間楽しかったなぁ。
そして早速顧問の先生とレンタル交渉。運良く同窓会が終わるまで借りることができ、本番使用決定!やった!

価値ある進化

191115_z_sugano05.png そして同窓会本番。
会場の体育館で一人無伴奏独奏。
曲はもちろん、「Saving all my love for you」
感無量。

夜は同級生との飲み会。久々に再会する友達との会話に当時の記憶がまた蘇る。
なかなか充実した一日でした。

楽器も人も同時に生きている。
時が過ぎるとその変化の様を成長・進化・退化・劣化などの言葉で形容するけど、あのYAS-32は物質的な老朽化はあれど、30数年に渡り中学生に何かを与え続けた意味では充分に価値のあるものとして進化していると思う。
徹底的に調整したらどんな音色を提供してくれるのか気になってしょうがない。

suganosan_prof.jpg菅野 浩(すがの ひろし)プロフィール
アルトサックス、クロマチックハーモニカ プレーヤー
小編成から大編成まで活動の幅は広く、自己のバンド「Totem Pole」「Alto Talks」「Landmark Blue」の他、「Gentle Forest Jazz Band」「in's」などのバンドでも活動中。
近年ではクロマチックハーモニカも演奏する。

公式サイトのライブスケジュールはこちら!

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