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暇なとき(Z BLOG 菅野 浩)

暇は良い結果をもたらすこともある

仕事がなく暇なとき、僕ら演奏家はたいてい不安になる。演奏家の収入は稼働日数に比例している。よほどのことがない限り印税収入に頼って生きていくことはできない。だから何としてでも予定を埋めようと皆必死だ。
ライブハウスへのブッキング交渉。セッションや飛び入りできるライブに顔を出す。レッスン教室を紹介してもらう。などなど、仕事へつながる活動のやり方は様々。

暇であることはマイナスなイメージだけど、良い結果をもたらすこともある。
数日間におよぶ大きな仕事のオファーが突如としてやってくることがある。暇であればその仕事を難なくゲットできる。
タレントの萩本欽一さんは、とあるオーディションで新人を選考する際、最終選考に残った10人をいきなり自宅に帰らせた。1時間後、スタッフに彼らの自宅に電話をかけさせ、いちばん早く出た者を合格させたそうだ。なんでも仕事と金がない奴は真っ直ぐに家に帰るはずで、そんな奴には運が溜まっているとのこと。

なるほど。
欽ちゃんの独特な考えかもしれないけど、暇ってのも悪くないのかも。

暇なときに取り組んだことが運良く実を結ぶことも...

僕が大学を卒業してすぐの頃は、演奏面では暇で暇でしょうがない日々を送っていた。もちろん収入も少ないのでバイト頼み。バイトして練習して真夜中のセッション行って寝ないで翌日のバイト行ったりというハードなこともあった。バイト無しでもそこそこやっていけるようになってしばらくした頃、リーマンショックや東日本大震災があり、またもや劇的に暇な時期が訪れた。このときは、ここぞとばかりにそれまでやりたくてもできなかったことをやってみようと決心。朝から映画を観まくることと、ハーモニカを気合い入れて練習すること。この二つに集中してみた。時間があると、考える時間もたくさんあるので、世の中の事について考える機会をも与えてくれた。世相が刻々と変化していく中で自分はどのようなスタンスで音楽と関わっていったらよいのか、その頃はずっと考えていた。アルトを現行品に乗り換えたいと思い始めたのもこの頃だ。

結果として、
映画音楽のみを演奏するバンドに参加することになった。
持ち替え楽器をハーモニカに絞ったことで、関わる仕事が整理されて、気づけばビッグバンドでもハーモニカを吹かせてもらえる状況に。
アルトを現行品に移行したことでは、楽器関係者と親密な関係が構築され、楽器に対する見識を深めることができた。更にはこの「Z BLOG」や、「Z EXPRESS BIG BAND」でも活動の機会をいただくようになった。
暇なときに取り組んだことが運良く実を結んでいるではないか。

運良く?
あ、欽ちゃんの言っていた通りかも。

仕事がなく暇なときは、向かう方向性を明確にしてあれこれやりたいと思ってたことを思いきりやるのが良いのではないだろうか。不安は常につきまとうしお金はないけど、そこを嘆かずに、親しい仲間と楽しんで過ごせば良いんじゃないかと思う。

suganosan_prof.jpg菅野 浩(すがの ひろし)プロフィール
アルトサックス、クロマチックハーモニカ プレーヤー
小編成から大編成まで活動の幅は広く、自己のバンド「Totem Pole」「Alto Talks」「Landmark Blue」の他、「Gentle Forest Jazz Band」「in's」などのバンドでも活動中。
近年ではクロマチックハーモニカも演奏する。

公式サイトのライブスケジュールはこちら!

菅野さんが参加している
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