バッハとはどんな存在か?オルガニスト 冨田 一樹さんへの特別インタビュー

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みなさま こんにちは。ピアノを勉強してきた方の中には、バッハのインヴェンションとシンフォニアで苦労された方もいらっしゃると伺います。
バッハの曲の理解を深めていただくために、ヤマハミュージック 神戸店ではオルガニストの冨田 一樹さんを講師にお招きし、フーガ、カノン、対位法などについてのセミナー「バッハは何をしたかったのか?バロック講座」を開催していいただきました。当日はバイカウントクラシックオルガンUnico CL7とヤマハ チッペンデールのC2XCPのグランドピアノをご利用いただきました。

バッハは何をしたかったのか?バロック講座

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冨田 一樹 氏

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「バッハは何をしたかったのか?バロック講座」

当日は、ピアノやエレクトーン指導者の方を中心に、またバロック愛好家、オルガン愛好家も含め50名の方が来場されました。
セミナー後半には、受講者からも熱心な質問が続出し、またアンケートには継続したセミナーを希望する声が多数あり、ヤマハミュージック 神戸店 鍵盤スタッフの方も、講座企画の手ごたえを感じられていました。そして西日本地域の方には嬉しいご案内です。
2020年1月からヤマハミュージック 神戸店でバイカウントのChorum 90(3段手鍵盤です!)が常設展示されることに決まりました!!
今後、さらにオルガン音楽の魅力を案内するために利用されるそうです。みなさま、ご期待ください。

受講されたみなさまの声

今回のセミナーに参加されたみなさまの感想をご紹介します。
「フーガとカノンの違いがわかった。」
「楽譜をきちんと読んで、フーガを理解してから弾くことの大切さを再確認した
「曲への理解を深めると楽しいことを伝え、和声の響きの美しさを(生徒たちに)気づかせたい」
「バッハのインベンションを(生徒たちに)教えるときに役立つ」

みなさまご参加いただきありがとうございました!

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1月から常設展示予定のChorum 90 (実際はダークオーク)

ヤマハミュージック 神戸店
住所
〒650-0001
兵庫県神戸市中央区加納町4丁目10-26 2F 鍵盤楽器・防音室売場
TEL:078-391-7654
営業時間: 10:30~19:00
(定休日は水曜日です)
お店の詳細はこちらからご確認ください。

バイカウントオルガン通信では、上記講座終了後、冨田さんにインタビューへのご協力をいただきました。以下がインタビュー内容になります。

オルガニスト 冨田 一樹さん インタビュー

Q1 J.S.バッハは冨田さんにとって、どんな存在でしょうか?
ずっと追いかけても追い付かないような存在、伝説の作曲家ですね。これまでずっと音楽の勉強をしてきましたが、バッハが残した作品の奥深さ、緻密さ、ストーリー性、どれをとっても敵わないなと感じてしまいます。

Q2 バッハを演奏するときに、大切にしていることを教えていただけますか?
気を付けているのは、旋律のクリアさとハーモニーですね。バッハの音楽を表現するには旋律の動きとハーモニーが重要になってきます。
ひとつひとつの旋律がはっきりとクリアに聞こえるよう、音を切るタイミングに注意し、そして重要なハーモニーをしっかりと強調するように心がけています。

Q3 オルガンをはじめたきっかけなどを教えていただけますでしょうか?
中学生の頃にバッハのオルガン作品をCDで聴いた事がきっかけです。クラシック音楽は小さい頃から聴いていましたが、パイプオルガンの多彩な音色と分厚い音圧には衝撃を受けました。ピアノが弾ける人は周りにも時々いますが、オルガンを弾ける人はそうそういない。
この楽器だったら頑張れば1番になれるかも!というやや不純な動機もあります。笑

Q4 ずばりオルガンの魅力は何でしょうか?ピアノとの大きな違いは?ピアノを弾く方がオルガンを弾くときのこつなどあれば、教えてください。
オルガンの魅力はやはりハーモニーですね。
ピアノは弦を叩いて鳴らす楽器ですが、オルガンは管楽器の仲間で各パイプから発音されます。音がしっかりと持続し、音と音がぶつかる緊張感を強く味わう事が出来ます。

ピアノもオルガンも違いはありますが、どちらも鍵盤楽器ですので、ピアノしか習った事がない方でも簡単な曲であればオルガンを楽しんで弾いて頂けます。ただ、ピアノ経験者がオルガンに向かう際の注意点として云える事は、各旋律の音の長さを「正確に」弾かなければならない、という事です。この「正確に」というのは単に楽譜通りの音価(ある音または休止に与えられた楽譜上の時間の長さ)を守るという事ではなく、音楽的に最も適した音の長さを考えて弾くという意味になります。
音の長さが短すぎたり、長すぎたりしないよう、指を離すタイミングをしっかりとコントロールする必要があるのです。

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Q5 バッハ国際コンクールのオルガン部門にて日本人で初めて優勝されましたが、コンクール時のエピソードなど教えていただけますでしょうか?
バッハ国際コンクール、本当に過酷なコンクールでした。合計4ラウンドの審査を受けるのですが、毎回会場が変わり、オルガンのタイプも違うものになります。私はライプツィヒに行くのがその時初めてでしたので、オルガンに関する事前の情報も少なく、リハーサルだけでもひと苦労でした。今考えると、かなり無謀な挑戦だったのかも知れません。

Q6 今後の夢やどのような活動をしていきたいかお聞かせいただけますでしょうか?
オルガン音楽には沢山の素晴らしい魅力があるのですが、あまり身近な楽器ではないという事もあり、まだまだ一般には知られていないという現状があります。今の私の使命として、そういった状況を打破していく必要があると感じています。もっと気軽に楽しんでもらえるようなコンサートや、オルガンだから生み出せる、大きな感動に気付いてもらえるようなパフォーマンスをもっと心がけて、今後の演奏にも繋げていきたいと考えております。

インタビューはいかがでしたでしょうか?

今後もバイカウントオルガン通信では、オルガンに関わる奏者の方々の生の声をお届けできるよう、尽力してまいります。

冨田 一樹さんオフィシャルサイトはこちら

冨田 一樹さん 今後の予定

2020年1月18日(土) 14:00~
宝塚ベガ・ホール
森麻季&冨田一樹コンサート ~ソプラノとオルガンの響き~

入場料 - 4,000円(当日4,500円)
J.S.バッハ -
前奏曲とフーガ ホ短調 BWV548 (ソロ)
前奏曲とフーガ ロ短調 BWV544 (ソロ)
J.S.バッハ -あなたがそばにいたら (デュオ)
J.S.バッハ/グノー - アヴェ・マリア (デュオ)

日本を代表するソプラノ歌手、森麻季さんとの初共演!
宝塚ベガ・ホール 0797-84-6192
ローソンチケット (Lコード=51350)http://l-tike.com/
セブンチケット(セブン-イレブン) http://7ticket.jp

2020年1月29日(水) 19:00~
石川県立音楽堂
冨田一樹 オルガン・リサイタル ~真冬のバッハ~

トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
小フーガ ト短調 BWV578
グノー : アヴェ・マリア 他

2020年2月29日(土) 14:00開演予定
リックはびきの
バッハの名曲、色んなパイプで聴き比べ!
♪冨田一樹 オルガン・レクチャーコンサート♪

様々な音色を表現するパイプオルガン。
その音色を作る仕組みや、バッハが求めたパイプの音色について、バッハ国際コンクールで日本人として初めて優勝した冨田一樹がわかりやすく解説。

2020年3月21日(土) 19時~
ザ・シンフォニーホール
♪バッハ名曲決定版♪
バッハ生誕の日にお届けするオルガンの名曲たち

前奏曲とフーガ イ短調 BWV543
おお人よ、汝の罪の大いなるを嘆け BWV622
「マルチェッロのアダージョ」(オーボエ協奏曲より第2楽章) BWV974-2
前奏曲とフーガ ハ長調 BWV531
トリオ ニ短調 BWV583
主よ、人の望みの喜びよ BWV147-10
パッサカリア ハ短調 BWV582

CD好評発売中!
「命の響き」小オルガンによる無限の可能性
西東京教会 冨田一樹 オルガン・リサイタル(ライヴ録音)

定価 : ¥3,000+税+送料
 

予約申し込み、注文、問い合わせは、
西東京教会 TEL: 090-2463-7550 (13:00~23:00)
メール : bolog.bolog.house@eagle.ocn.ne.jp
〒188-0011 西東京市田無町6-7-5

★予告:第3回 ~知りたい・聴きたい・弾きたい「オルガンショールームOpen Day♪」の開催日が決定しました!
2020年3月13日(金)、14日(土)に開催いたします。詳細は後日ご案内いたします。

※第3回 ~知りたい・聴きたい・弾きたい「オルガンショールームOpen Day♪」は中止が決まりました。
中止に関するご案内はこちら

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