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子育てと音楽から学んだもの~ピアノは子育てのヒントをくれる~(樋口 紘子)

こんにちは。ヤマハピアノデモンストレーターの樋口紘子です。
お日さまのような明るさ!をモットーに、ピアノのデモンストレーション演奏やワンポイントレッスン、コンサートを主に活動しています。
男児2人の子育てをしながら、パワーを絶やさずにいるために、ランニングで充電しています。最近は野菜をいかに食べてくれるか、男児好みのメニューで工夫を追求!や、子どもとのピアノ時間をどう穏やかにできるか!と毎日課題をクリアすることに燃えています。アグレッシブなママを目指して日々奮闘中です。

こちらでは、数回にわたり、音楽やピアノの経験が子育てにも共通するな、役立つな、と感じることをお伝えしていこうと思っています。
ピアノ経験のあるママや、これから子供にピアノをはじめさせようかと思っている方々に少しでも参考にしていただけたり、気持ちがホッと安らいでいただけたら嬉しいです。
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耳を澄ますと感じること...

突然ですが、皆さんが“呼吸を感じる”ってどんなときですか?
緊張してドキドキしているとき、深呼吸したり、子どものすやすや寝ている寝息に、思わず笑みが溢れたり、色々な場面がありますよね。
普段当たり前すぎて、忘れがちな大切なことをピアノって、気づかせてくれるって思うんです。そう、ピアノは私に、呼吸することを教えてくれました。
ピアノは息づく魔法の玉手箱!って思うことがよくあります。音色、全身に伝わる響きはいつも様々な表情で語りかけてくる。ピアノと会話が始まった途端イメージの扉が次々と開いてゆく。
ピアノとの呼吸が通い合ったとき、音楽が流れ出す。
自分が演奏するときや、ピアニストさんの演奏を聴いて、いつもその音楽の魔法を感じます。心癒されることもありますよね。
ピアノと子育てが循環しはじめて気づいたことがあります。それは呼吸の尊さです。心穏やかな呼吸、かつて自分が幼かった頃、ぎゅっと抱きしめてくれた母の温かな呼吸は、いつも私の不安を和らげてくれました。
いつの時代も、ママの穏やかな呼吸は子どもが安心する何よりのサプリなのではないでしょうか。
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私はいつも人前でピアノを弾くとき、呼吸がうまくできなくて、吸ったまま吐ききれず、舞い上がることだらけ。イメージだけは頭の中に詰まっているのに、人前に出た瞬間、息が止まっていつも通りの演奏ができないことの連続でした。
「息をもっと使って」「本番前は吐くことを意識した呼吸法がいい」とにかく色々な言葉かけをもらった記憶があります。
呼吸とは「吸うを呼ぶ」。つまりは息を吐くこと。吐いたことで新しい空気が吸えて、新鮮な気がめぐります。ピアノを続ける=呼吸の特訓を、し続けてきたように思います。
今でもその特訓は継続中ですが、恩師のアドバイスで、人生で大の苦手だったランニングを始め、ひたむきに向き合った結果、少しずつ息がめぐるようになりました。
上を向けるようになり、見える世界が広がっていくのを感じるようになったんです。ピアノは知らず知らず根性も鍛えてくれたなぁと思います。続ける大切さもピアノに教えてもらいました。
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子育ては、ついつい一生懸命に目の前のことで手一杯!我が家でいうと、二人の男児は同じ理由もなく、もっとご飯とせがむ次男坊、かたや長男といえば、ひたすら話しまくってご飯が全く進まない。そこに差し迫る通学準備。溜まった洗濯物・・
私は今週末、本番があるのに!!焦りとイライラが駆け巡って蒸気が立ち込みはじめる・・・ここでハッと思い出す。呼吸、深呼吸をひとつです!
時間は待ってくれないけれど、状況を良い方向に考える閃きがきっと舞い降りてくれるはずです。そこでめげない根性もまた、ピアノでつちかった賜物です。

ピアノは、呼吸ができると聴けるようになる。耳を澄ます。感じる。
子育ても、子どもの様子に耳を傾け、耳を澄ますことで、解決策がぽんと生まれることがきっとあります。一瞬一瞬を大事に。一音一音を大切に。

ピアノの音色に救われた日々

ピアノの心地よい音色に救われたことが、何度もありました。子育てに追われて気持ちが急いているときに、ピアノの前に座ってポーンと響く音を聴いて、涙することもありました。
誰もが音を出せるピアノだからこそ、弾く人や弾くときの気持ちによって音色は全く違う。正解はなく、感じ方もまた皆それぞれ。息づく音楽に心動かされる。
子育ても何が正解かは、親子それぞれで、未知の連続で悩むこと多々。けれどピアノは悩む分だけ奥深い音楽や演奏になるように、子育ても同じではないでしょうか。呼吸しているもの同士、悩みあったことは糧となって、どれもかけがえのない思い出のメロディへと変化するはずです。
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ピアノの音色は、言葉のイメージボックス。音や音楽を言葉で伝えるにはイメージ力をすごく使います。デモンストレーターになってお客様にピアノのお話をするようになってこのことはより感じるようになりました。
ピアノはイメージの宝船。そう、子育てに最強の味方なんです。
ピアノで失敗を何度も重ねてきた私は、気づけば吐き出せなかった「イメージの付箋」が頭の中にたくさんありました。でもそれがピアノを教えるようになり、子育てが始まって、いつしかイメージの単語帳に生まれ変わったのです。

「それってどういう意味?」
最近の息子の口癖です。待ってました!とパラパラとイメージの単語帳を開いて、子どもが納得する言葉を見つけ出します。
逆に子どもからのふとした答えにイメージをもらうこともあります。ピアノと子育ての循環は、色々な所に隠れています。
けれど、どうしたって息が詰まることもありますよね。そんなときは子育て以外にも役立つ、とっておきの言葉がありますよ。
「休符も音楽」
しっかり休んだら、きっとまた新しい素敵なメロディが始められるはずです。

piano_higuchi_prof.png樋口 紘子(ひぐち ひろこ)プロフィール
4歳よりヤマハ音楽教室に通い、その後はピアノ個人レッスンを受ける。フェリス女学院大学器楽学科ピアノ専攻卒業。卒業後デモンストレーター活動の傍ら、ピアノ講師、高校での音楽教員にも従事。2児の出産を経て、デモンストレーターとして再活動中。

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