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新しいライブ様式(Z BLOG 菅野 浩)

緊急事態宣言が解除され、その間温めていたアフターコロナ・ウィズコロナや第二波に備えての対策に皆動き出している。

今回は、ジャズクラブの新しいライブ様式について、あくまでも自分がリスナーとなった立場で考えてみた。

まずは、対面ライブについて

今までのライブチャージの価格帯は大体2,000円~8,000円くらいだろうか。海外アーティストを招いての公演はもっと高い場合が多い。
これは今まではいささか高いなぁと思う場面も多かったが、これからは同等か更に高額になっても良いと思っている。
生音に触れる機会がめっきり減ってしまった上に当分のあいだは他客と距離を置いて鑑賞しなければならない。しかしこれは逆にゆったりと鑑賞できるということではないか。ならば、自分は喜んで高額なチャージを払いますよ。

続いて、配信ライブについて

コロナ禍で盛り上がっている配信ライブ。
「無料配信ライブ」のみであったり、
「無料配信ライブ」+「決済サイトを利用した投げ銭」の形式をよく見かけるようになった。
この時期、多くの配信ライブを見てきた感想としては、正直、ぼちぼち飽きてきた感はある。
リスナーとしての自分の感覚が、より高音質・高画質を求めるようになってしまったからだ。
もちろん演者サイドも同じものを求めて実験段階だという感覚だろう。
リスナーは、
「お金払うからもっと良いものを配信して欲しい!」
演者は、
「投げ銭ではなく定額チケットで胸を張ってマネタイズできる良いもの配信したい!」
このように、リスナー・演者の両者が同じところを目指しているのだから、いち早くその環境が整ってほしいと思う。

「生ライブ」+「チケット制の配信ライブ」形式でのライブ!

そこで目にしたのが、高級ジャズクラブを代表するBlue Note Tokyoの取り組みだ。
6月のスケジュールを見ると、国内アーティストの3,000円の定額チケットでの有料配信ライブが並んでいたが、世界的に活躍するピアニスト小曽根真さんが「有料配信」+「会場観覧」という形式でライブを行うという。
一瞬で会場観覧したいし配信も見たいという気持ちに駆られた。
料金設定を見ると、
会場観覧:8,800円
配信観覧:3,000円。
これを見て正直「安い」と思った。
もちろんリスナー目線ですよ。
会場に行けば歴史的瞬間を目撃することになるだろうし、配信ならばそれはどんなクオリティになるのかも気になる。
小曽根さんはこのコロナ禍において、53日間に及ぶFacebook無料配信ライブを毎夜おこなった上での今回の企画。業界を牽引するトッププレイヤーがひとつの形を提示してくれたことに感謝の気持ちでいっぱいだ。
今後は、この例をもとに、小規模ジャズクラブまでこのシステムが拡充することが当面のあいだの素直な流れではないだろうか。

更にBlue Note Tokyoが素晴らしいと思ったのは、決済が自己サイトで完結しているところ。
大手の楽天グループは、自己グループの「楽天チケット」と「楽天TV」を融合して、有料配信を決済するところまでをひとつのサイト内で完結できるサービスの提供を開始した。楽天ポイントも使えるらしい。
これが小規模ジャズクラブまで拡張されれば嬉しいところだが、どうなるのだろうか。

配信ライブという非対面のヴァーチャル環境に身を置く時間が長くなれば長くなるほど、生音への欲求は高まる。故に生ライブは無くならない。
「生ライブ」+「チケット制の配信ライブ」の形式がスタンダードになれば、リスナー・演者・お店、全てにメリットになると思う。

suganosan_prof.jpg菅野 浩(すがの ひろし)プロフィール
アルトサックス、クロマチックハーモニカ プレーヤー
小編成から大編成まで活動の幅は広く、自己のバンド「Totem Pole」「Alto Talks」「Landmark Blue」の他、「Gentle Forest Jazz Band」「in's」などのバンドでも活動中。
近年ではクロマチックハーモニカも演奏する。

公式サイトのライブスケジュールはこちら!

菅野さんが参加している
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