< >

記事

厳選した音楽関連の記事をピックアップ!

移動ド(Z BLOG 菅野 浩)

この間、レッスン中に移動ドの感覚はやっぱり大切だなぁ、と思ったのでメモしておきたいと思う。

12キーのスケール練習

そもそも僕はほとんどが移動ド。
コップを指ではじいて、響いた音が何の音かなんてわからない。
中学生になってアルトサックスを手にするまでは、これといった楽器経験はほとんど無かった。
中学のブラスバンド部に入部しアルトサックスを手にすると、いきなり12キーのメジャースケジュールができるよう強要された。スパルタ系&体育会系のノリがあった部だったので、そう、自主的なやつではなく、確実に強要だったw
でも当時はチェッカーズの藤井尚之さんを目指すべくヤル気でみなぎっていたので、何の抵抗もなく12キーのスケール習得に励んだ。
アルトサックスがピアノのミ♭をドとする移調楽器だと説明されても、そもそも絶対音感が無いので、絶対音感の人が移調楽器を手にしたときの違和感なんて何も無く、
「へぇ~、だからなに?」といった具合だった。

「12キーのメジャースケールは楽だよね。
だって全部ドレミファソラシドじゃん。」

この感覚があとになってとても大切なことだと思うようになるなんて想像もしなかった。
12キーのスケール練習を強要した先生には感謝している。

高校生になり、とある人から、
メジャースケールは、「ドレミファソ」だけ練習すれば良いんだよ、という裏技的なことを教わった。
音階を9thまで行く
「ドレミファソラシドレ」
の「ソラシドレ」は、
「ソ」を「ド」とした「ドレミファソ」になるからだと。
「ふむふむ、ほんとだ!」
この事実に感動した記憶がある。
任意の音から始めても「ドレミファソ」と歌うことは「ソラシドレ」と歌うより簡単なので、とてもとてもイメージしやすい。
サックスはオクターブキーを押すだけで1オクターブ違う音を出せるところが多いので、尚さら有益な情報だった。
西洋音階で作られた音楽で溢れる世界に住む僕らにとって、最も万人が共有しているメロディは「ドレミファソ」なのだ。

大学生になりアドリブ習得に励むようになると、やたらとメロディを12キーで練習しろと言われる。最初は難しく感じたけど、2拍単位くらいに短くして、12キーに移調していったりするのが楽しかった。楽器のボタンを押していく運指の連なりは、まるで反射神経を使うパズルゲームのような感覚。12キーでの練習はまさしく移動ドの感覚を鍛える作業だ。

難しいキーの曲に出会ったら

この移動ドの感覚が無くサックスを練習してきた人は意外と多いような気がする。
絶対音感は無いけれど、サックスでの絶対音感的なものがあり、それが邪魔して難しいキーになると全く音程感が崩れてしまう人が多いみたいだ。
難しいキーの曲に出会ったら、とにかくそのキーの「ドレミファソラシド」または「ドレミファソ」を心の中で強く歌いながら指を動かして、聞こえてきた自分の音が心の中の歌と同じ歌になるようゆっくり味わってみるのが良いと思う。

例えば「シ-ド#-レ#-ミ-ファ#」
は単純に「シ」を「ド」とした「ドレミファソ」。
まず「ド~」と心の中で歌いながら「シ」の音を長く吹いてみる。そこから「シ-ド#-レ#-ミ-ファ#」と指を動かしたときに気持ち良い「ドレミファソ」が聞こえてくればしめたもの。
「シ」の母音は「i」
「ド」の母音は「o」
この意識が変わるだけで世界は変わるのです。
アルトサックスの「シ」はピアノの「レ」なので、「レ」を「シ」と思い込んでいたのならば、「シ」を「ド」と思い込むのも絶対にできるはず。
そしてジャズのアドリブをする際には、これらを感覚的に掴んでさえいれば良いと思う。

難しいキーで思うようにいかなくてお困りの方、是非お試しください。

suganosan_prof.jpg菅野 浩(すがの ひろし)プロフィール
アルトサックス、クロマチックハーモニカ プレーヤー
小編成から大編成まで活動の幅は広く、自己のバンド「Totem Pole」「Alto Talks」「Landmark Blue」の他、「Gentle Forest Jazz Band」「in's」などのバンドでも活動中。
近年ではクロマチックハーモニカも演奏する。

公式サイトのライブスケジュールはこちら!

菅野さんが参加している
Z EXPRESS BIG BANDの紹介ページはこちら

記事の一覧に戻る