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簡単だけど弾き映えする!クラシック曲(ピアノ曲編) ~弾いて楽しいピアノ楽曲の紹介~(伊藤 優里)

こんにちは。ヤマハピアノデモンストレーターの伊藤優里です。
前回の記事では、ムソルグスキーによる「展覧会の絵」のアレンジ楽譜をいくつかご紹介しました。今回はその後編で、もともとピアノのために作られた曲を中心にご紹介いたします!
「簡単だけど弾き映えする!」がテーマですので、特に原曲の雰囲気をそのまま味わうことが出来るのでは・・・♪というアレンジを選んでみました。

ピアノ・ソナタ 第14番「月光」第1楽章 ピアノ(ソロ) / 中級(ベートーヴェン)

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★ピアノ・ソナタ 第14番「月光」第1楽章 ピアノ(ソロ) / 中級(ベートーヴェン)
ピアノ楽曲として、超超有名なベートーヴェン・ソナタ「月光」。
ベートーヴェンはピアノ・ソナタを32曲作っています。
ソナタの第1楽章というと、だいたいAllegroとか、快活な雰囲気で作られる事がほとんどですが、この第1楽章は真逆の雰囲気です。
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(この譜面だけで何故か怖かった…小学生くらいの時、夜一人で聴いたら神秘的すぎて怖かった記憶があります。出典:ベートーヴェン・ピアノソナタ集ヘンレ社原典版)
あまりに出だしのイメージが強すぎるので、この曲はやっぱりcis-moll(嬰ハ短調)でしょう・・・!!という事で、こちらのアレンジ楽譜も原曲通りのシャープ4つです。
原曲と大きく違うところは、右手と左手でメロディー・伴奏が分かれている事。
この月光第一楽章は伴奏の3連符の連続がとても印象的で、メロディー以上に存在感(!?)がある気がするのですが、原曲では片手の中でその3連符とメロディーを弾き分けなければなりません。でもこちらのアレンジは左手⇒3連符、右手⇒メロディーなので演奏しやすく、雰囲気もそのままです!
またシャープやフラットを苦手に感じる方はとても多いと思いますが、この左手は音の並び自体は読みやすく、指の動きも弾きやすいので是非試してみてください♪

前奏曲Op.3-2 「鐘」ピアノ(ソロ) / 中級(ラフマニノフ)

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★前奏曲Op.3-2 「鐘」 ピアノ(ソロ) / 中級(ラフマニノフ)
ラフマニノフは、ピアノを始めたばかりの方やお子様などにとって少し馴染みのない作曲家かもしれません。その理由の一つが、手がとても大きくひらくから…!
というのも、ラフマニノフは自身が大変に実力を持つピアニストで、演奏活動の傍ら作曲もし、自らが演奏して活躍した音楽家です。そして、とても手が大きかったというのが有名な話。
日本では1オクターブ(ド~ドまで)届くか、届かないか?が手の大きめ、小さめのボーダーラインのイメージですが、ラフマニノフはなんと1オクターブと6度(ド~オクターブ上のラ(!))まで届いたそうです。
そんな彼が作る曲ですから、弾こうとすると何かと手がひらいて苦労する事も多々。。

200623_piano_ito03_04.jpg この前奏曲「鐘」は、原曲もそこまで手の開くところは出てきませんが、鍵盤の下から上まで両手が行ったり来たりするのが案外弾きづらく、しっかり頭で理解しないと譜読みが進まない曲な気がします。
こちらのアレンジは、行ったり来たりせずに進み譜面もスッキリしているので、和音がいっぱい書いてある楽譜が苦手・・・という方にもおすすめです♪

木星 ピアノ(ソロ) / 初級(ホルスト)

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★木星 ピアノ(ソロ) / 初級(ホルスト)
最後はピアノ曲ではないですが(^^;)
歌手の平原綾香さんが「Jupiter」という題でメロディーをモチーフにした事でも有名なこの曲。ホルストはイギリスの作曲家で、彼にとってもこの組曲「惑星」(特に木星)が一番の代表曲と言えます。

こちらはスペインのオーケストラ、ガリシア交響楽団による演奏です。
♪「惑星」ホルスト (木星は20’26”~、あの有名なメロディーは23’44”から)
ホルンと弦楽器で奏でられるメロディーがとても印象的で、宇宙の神秘的な雰囲気を表現するのにオーケストラでないと・・・と思うのですが、こちらのアレンジ楽譜では意外とピアノで演奏しても厳かな感じが出ていると思います。クラシックのピアノ楽曲ではあまりないコード進行や、左手の重音の連続が耳に残る響きで、シンプルながらまさに「弾き映え」するのでは!と思い選んでみました。

二回にわたり、簡単だけど弾き映えする!クラシック曲 をご紹介しました。
次回はテーマを変えて、弾いて楽しいピアノ楽曲を紹介いたします!
 

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piano_ito_prof.jpg伊藤 優里(いとう ゆり)プロフィール
神奈川県出身。4歳よりピアノを始める。
桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学音楽学部を経て同大学研究科修了。
第25回かながわ音楽コンクールシニアピアノ部門第1位。入賞記念コンサートにて神奈川フィルハーモニー管弦楽団とショパンのピアノ協奏曲を共演。
大学在学中よりヤマハピアノデモンストレーターとして活動を始める。
中学校時代には吹奏楽部に所属していた事から多方面の音楽に関心を持ち、本格的なクラシック曲から映画・ミュージカル音楽やジブリ、ディズニー等幅広いジャンルの演奏にも力を入れている。また近年は合唱や声楽、器楽とのアンサンブルのコンサートや、伴奏ピアニストとしても演奏活動を行っている。

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