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たった1音色でディズニー映画〝美女と野獣〟を弾いてみた。(中野 正英)

エレクトーンプレイヤーの中野正英です。

前回『たった3音色だけで〝Pretender〟を弾いてみた』の演奏動画を紹介させていただいたところ、多くの反響をいただくことが出来ましたので、今回も新しい演奏動画を紹介させて頂きます。

今回は『たった1音色でディズニー映画〝美女と野獣〟を弾いてみた。』です。

数ある音色から選ばれたその1音色とは…

〝ストリングス〟です。

ストリングスとは、その名の通り弦の複数形。
バイオリン・ビオラ・チェロ・コントラバスなどの弦楽器群の音色をさします。


そこで、〝バイオリン〟と〝ストリングス〟と何が違うの?と思った方も少なくないはず。


違いは人数です。

バイオリンという音色は1人で演奏している音色なのに対し、
ストリングスは複数人で演奏している音色になります。


他にもトランペットとブラス(真鍮)
フルートとウッドウインド(木管)

楽器名の音色はソロを想定した音色で、
セクション毎に演奏した音色はブラスやウッドウインドという名称となります。


エレクトーンはひとつの鍵盤にいくつもの音色を重ねて奏でることが出来るのですが、(例 ストリングス+ピアノ+フルートetc)
不思議なもので、バイオリンの音色を複数重ねて演奏しても、ストリングスのような複数人で演奏している響きにはならないのです。

これはエレクトーンに限らず、シンセサイザーやキーボードなどの電子楽器に共通しています。

なので、今回はストリングスを使用します。


さて、今回ストリングスのみでのエレクトーン演奏するにあたってのポイントをピックアップしてみました。

アフタータッチを使った奏法

強弱表現は右足で操作するエクスプレッションペダルでも出来ますが、
フレーズに対する細かい抑揚表現はアフタータッチと呼ばれる指で鍵盤を押し込む強弱で演奏した方が効果的です。

鍵盤を押し込むと2mmほど鍵盤がしなります。
こちらは強弱をつけることが出来、フレーズに抑揚をつけていきます。
大変地味な奏法ですが、出来るのと出来ないのでは大違い!
演奏の上手下手を左右する大きな要素です。


アフタータッチは指の筋肉だけでなく、手首や腕などの動きを利用して音に反映させたりもします。
鍵盤学習では、〝脱力〟なんて言葉をよく使いますが、この辺りに深く関わってきます。

このアフタータッチ、実は電子鍵盤楽器特有の機能で、ピアノやパイプオルガンなど他の鍵盤生楽器には存在しません。
アフタータッチはエレクトーンをはじめ、電子鍵盤楽器のポテンシャルのひとつと捉える奏者も少なくありません。

オートリズムは使用しない

エレクトーンでは豪華なリズムがエレクトーンソロ演奏を支えてくれる大きな役割となっているのですが、今回は封印。


オートリズムにも欠点があります。

常に一定のテンポを刻むので、微妙なテンポの揺らぎを表現する事が難しいのです。

間合いを入れる為、一瞬テンポ落とす事も出来なくはありませんが、奏者が機械に合わせて演奏すると、どうしても機械な音楽となってしまい音楽的な要素からは遠のいてしまいます。

一定したテンポの楽曲の場合では効果を発揮しますが、ゆったりとしたテンポの曲には中々難しいところがあります。
そういう時は、思い切ってリズムは鳴らさず、自分のもつテンポ感や呼吸で演奏した方がいい場合もあります。

和声の工夫

バイオリンのような単音で奏でる楽器が集合して成すハーモニーと、
ピアノのような和音がなる楽器のハーモニーでは和声構造が少々違ってきます。

前者のハーモニーの勉強は和声(法)と呼ばれ、
専門的な勉強を積み重ねてきました。
私の卒業した学科では既に入試に和声が受験科目としてあり、必死に勉強したのをよく覚えています。

和声法で培ったハーモニーを利用することで、豊かな響きを得る事ができるのです。



テンポ・タッチ・和声など、音楽表現の要素は実に様々です。
シンプルな音色なので、多角的な工夫が伝わりやすいかと思います。

リアルさや華やかさだけではない、エレクトーンの魅力が伝われば幸いです。

ele_nakano_prof.jpg中野 正英(なかの まさひで)プロフィール
エレクトーンプレイヤー
東京都出身。ヤマハエレクトーンコンクール2008で第2位受賞後、音楽活動を開始。国内でのコンサート活動の他、'10年中国8都市、'11年中国9都市/香港/シンガポール、'12年中国3都市、'13年タイ、'15年マレーシア、'16年中国6都市、'17年シンガポール、'18年台湾3都市、でコンサートツアーやイベント出演も行う。'12年セルフプロデュースライブ「LIVE.1」を開催。'13年1st.CD「gonna be brave」をリリース。ヴァイオリ二スト中西俊博プロデュース 「中野正英×ケナン・ルイ・ウィジャヤ」を東京と大阪で開催。'15年ポップスコア『ボレロ-electro remix-』」を発刊。発売記念ライブも開催。'18年2nd.CD「いちばん、たいせつなもの。」と同タイトル エレクトーン曲集をリリースし、発売記念ライブも開催。
また「ヤマハ音楽教室」Webムービーへの楽曲提供やヤマハホール館内音楽制作など作曲家としても活動している。

Twitter @masahide_nakano
 

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