< >

記事

厳選した音楽関連の記事をピックアップ!

夏(Z BLOG 菅野 浩)

一番好きな季節は夏だ。
けれども今年は様子が違う。
誰もが初めて経験する夏となっている。

夏を逃した学生時代

毎年7月20日頃梅雨が明け、子供の頃は夏休みになり夏本番。プールや海、山へ行って遊びまくった。夏休みの宿題の計画を立てるなんて無茶なことだった。
部活動をやっている学生であれば、各種大会やコンテストなどが多く開催されるので、それに向けての練習に没頭するだろう。
僕の場合、中学でサックスを始めてからは、ずっと吹奏楽部やビッグバンドサークルに所属していたので、毎年朝から夜まで夏のコンテストへ向けて練習に励んだ。そしてそのコンテストが終わり、完全な休みになる頃には、海は既に初秋の空気を漂わせるようになっているので、「ああ、今年も夏を逃した」と毎年悔やんでいた。
そのあいだ広島・長崎への原爆投下の日があり、自分の誕生日もあり、お盆になり、終戦記念日がある。
誰もが人の生死や平和について考えるとき。
テレビでは高校野球が連日放映される。
夏といえばだいたいこんな感じだ。

僕の理想とする夏は、学生の頃叶わなかった夏を満喫すること。
梅雨明けから2~3週間は仕事は何もしたくない。
仕事に余裕ができた頃、この時期に仕事を入れず海水浴を楽しんでいたことがある。
急激な日焼けを繰り返していたため、背中にシミがたくさんできてしまった。それ以来、海水浴はしなくなった。
で、ここ数年はもっぱら屋内の暑くないところで涼を楽しんでいる。
そして大事なのは桃。
世の中で一番好きな食べ物は桃。
この時期しか楽しめない期間限定な桃。
ギャラは桃でも良いw
いまでは毎年桃を送っていただく方も現れ、感謝している。
生の桃を味わえるのはこの僅かな夏の間だけだ。
200817_z_sugano01_01.jpg

演奏ばかりで増大する心のモヤモヤ

学生の頃、先輩ミュージシャンが、
「やっぱり夏はダメだね~」
と言っていた。
夏は踏ん張りが効かなくなるから演奏には良くない、とのことだ。
「へぇ~、そんなもんかなぁ」
当時の印象はこんな感じだった。
自分も演奏を仕事にするようになればわかるものと思っていたが、実際はちょっと違った。
僕にとって夏は特別な季節であるため、この時期ならではの楽しみが沢山ある。
それを味わえず演奏ばかりしていることが心のモヤモヤを増大させていた。
・晴天の海水浴日和の日に地下で演奏。
・リゾート地のフェスやイベントでスーツを着て演奏。
・海水浴を楽しむ人で溢れる海の家で演奏。
どれもこれも平時の心理状態ではいられない。
何か異様な感情のこもった演奏になってしまう。
結果として僕も「夏はダメ」だった。。

誰もが初めて経験する夏

今年は図らずして今までに無い夏を迎えている。
コンテスト、フェス、コンサートなどの各種イベントはことごとく中止になり、目標や夏ならではの楽しみを失っている人が多いと思う。
僕も例外に漏れず今までのような夏は満喫できていない。
しかしなんと言うか、それほど残念には思っていない。
ライブはほとんど無いから人と接する機会は激減。レッスン業は安定しているが、基本的にヒマな状態。
不安要素は過去最大で高まっていて考え出したらキリがないにもかかわらず、何故だか残念に思っていない部分がある。

なんでだろう。

それは、次の時代へ向けての準備期間と捉え、気持ちを前向きに保っているからだろうか。
常に変化することを求められる僕らは今までで最大級の変化を求められているかもしれない。
しかし変化することを是とするためにブレブレになってはいけない。
そこらへんのバランスを考え準備する時間はたっぷりとある。
変化し新しくなってもブレのない未来の自分はどうあるべきか、そのポジションを探すことは、とてもワクワクする作業なのだ。

suganosan_prof.jpg菅野 浩(すがの ひろし)プロフィール
アルトサックス、クロマチックハーモニカ プレーヤー
小編成から大編成まで活動の幅は広く、自己のバンド「Totem Pole」「Alto Talks」「Landmark Blue」の他、「Gentle Forest Jazz Band」「in's」などのバンドでも活動中。
近年ではクロマチックハーモニカも演奏する。

公式サイトのライブスケジュールはこちら!

菅野さんが参加している
Z EXPRESS BIG BANDの紹介ページはこちら

記事の一覧に戻る