< >

記事

厳選した音楽関連の記事をピックアップ!

オーケストラの配置の秘密と理由 -エレクトーンで必要な知識-(中野 正英)

皆さま、こんにちは。
エレクトーンプレイヤーの中野正英です。

突然ですが、みなさんはオーケストラの演奏会に行ったことはありますか?
クラシックのファンであればオーケストラを鑑賞する機会は多いと思いますが、そうでない方には普段から耳にする機会は少ないと思います。
最近では、映画の映像に合わせて生のオーケストラがBGMやサウンドトラックを演奏する特別上映や、人気のディズニーやドラゴンクエストなどのゲーム楽曲をフルオーケストラの演奏で堪能することができるコンサートなど、様々なジャンルの音楽を表現するコンサートが増え、それまでオーケストラに縁のなかった方も楽しめる機会が増えてきました。

今回は、そんなオーケストラの配置の秘密について、お話ししたいと思います。
一見、電子楽器奏者が生楽器演奏形態に触れるのは場違い?
と思われる方もいらっしゃるかと思いますが…そこはぜひ最後までお読みください。

楽器配置について

201001_el_nakano05_01.jpg
オーケストラは大きく弦楽器・木管楽器・金管楽器・打楽器・ハープやグロッケンなどの音階のある楽器の5つのセクションに分けられます。

◆弦楽器
まず、一番手前にいるのは弦楽器群。
弦の音は管楽器に比べ、音が通りにくいので前方に配置しています。人数が最も多いです。
左からから第一ヴァイオリン・第二ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ。チェロの後ろにコントラバスにいるケースが多いです。
場合によっては第一ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・第二ヴァイオリンといった配置のケースも多く、指揮者や楽団によっても様々です。

◆木管楽器
弦楽器の後ろには木管楽器群がいます。
管楽器は弦楽器に比べ、各音色が特徴的でよく響くので、うしろ側へと配置されます。
フルート・オーボエ、更に後ろにクラリネット・ファゴット。右側にホルンがいます。
ホルンは金管楽器ですが、音質の柔らかさから、木管楽器との融合性が高く、しばし木管楽器群に入ることがあります。
ベル(音の出口)も下向きなので、金管楽器にして少し音が小さいのもあり、この位置となっています。

◆金管楽器
続いて、木管楽器の後ろにいるのが、金管楽器群です。
トランペット・トロンボーン・チューバ
ベルが前方を向いているので、特によく響きます。

◆打楽器・ハープなど
いちばん後ろにいるのが、打楽器群です。
楽器によってはヴァイオリンの横にいることも多いです。

このような定位で演奏されるのです。

なぜ、エレクトーンの人が知っているの?

さて、エレクトーンでこのような定位がなぜ関係してくるのか。 エレクトーン音楽は様々なスタイルの音楽を奏でますが、その中のひとつ、〝まるでオーケストラのようなサウンド〟というのが大きく挙げられます。

〝まるでオーケストラのようなサウンド〟

そう、オーケストラのサウンド感を再現するには、そもそもオーケストラの知識が必要不可欠です。
エレクトーンはステレオ音源です。
複数のスピーカーを使い、それぞれに異なる音色の音量バランスをとり、立体的に聞こえるような仕組みをとっています。音の定位を決めることをパンニングと呼びます。エレクトーンユーザーの間では、音を左右に振ることを「PANを振る」と言ったりもします。
観客席からみて、ヴァイオリンは左寄りにチェロは右寄りに聞こえるように設定するのです。
続いては奥行き。弦楽器群は前方、打楽器群は後方にあります。なので、手前にある楽器はリバーブを(残響)少なめに・奥にある楽器は奥にあるようにリバーブ多めに設定したり、場合によっては発音を少し遅らせたりします。
これらを基本として、各音色の定位を決めていくのです。

◆実際に演奏してみると
このような知識をもとに、オーケストラサウンドを楽しめる、私のエレクトーン演奏動画を2本ご紹介。

星野源 「恋 -オーケストラ アレンジ-」

ディズニー映画「ノートルダムの鐘」メドレー

星野源さんの「恋」は私のオリジナルアレンジです。オーケストラサウンドでも恋ダンスが踊れるようなテンポ感を大切にし、甲子園の入場曲にもなった事から吹奏楽のような縦のリズムも意識しました。

ノートルダムの鐘メドレーは、完全耳コピーによるものです。
全ての旋律をひとりで賄うのは不可能なので、必要な音をピックアップし、適度にエレクトーンの特性を交えて、編曲しています。
当時の興行成績は今ひとつのようでしたが、総体的に芸術性が高く、今はミュージカル化もされ、長く愛されています。

エレクトーンで奏でるオーケストラサウンドをお楽しみいただけたら幸いです。
また楽器の音質進化による再現性だけではなく、奏者の知識や工夫している一面を知っていただけたら嬉しいです。

ele_nakano_prof.jpg中野 正英(なかの まさひで)プロフィール
エレクトーンプレイヤー
東京都出身。ヤマハエレクトーンコンクール2008で第2位受賞後、音楽活動を開始。国内でのコンサート活動の他、'10年中国8都市、'11年中国9都市/香港/シンガポール、'12年中国3都市、'13年タイ、'15年マレーシア、'16年中国6都市、'17年シンガポール、'18年台湾3都市、でコンサートツアーやイベント出演も行う。'12年セルフプロデュースライブ「LIVE.1」を開催。'13年1st.CD「gonna be brave」をリリース。ヴァイオリ二スト中西俊博プロデュース 「中野正英×ケナン・ルイ・ウィジャヤ」を東京と大阪で開催。'15年ポップスコア『ボレロ-electro remix-』」を発刊。発売記念ライブも開催。'18年2nd.CD「いちばん、たいせつなもの。」と同タイトル エレクトーン曲集をリリースし、発売記念ライブも開催。
また「ヤマハ音楽教室」Webムービーへの楽曲提供やヤマハホール館内音楽制作など作曲家としても活動している。

オフィシャルサイト
Twitter @masahide_nakano
17LIVE エレクトーン演奏配信中
 

記事の一覧に戻る