『おかえり、おんがく。#みんなで池の雨』に参加させていただきました。(中野 正英)
「ド レ ミ ファ ソー ラ ファ ミ・レ・ド」
どこかで聴いたことありませんか?
このメロディーのルーツはドイツ民謡ですが、
ヤマハ音楽教室では「池の雨」として多くの子どもたちに親しまれてきました。
この曲をさまざまなアーティストの方々が自由にアレンジ。
▶ おかえり、おんがく。
どこかで聴いたことありませんか?
このメロディーのルーツはドイツ民謡ですが、
ヤマハ音楽教室では「池の雨」として多くの子どもたちに親しまれてきました。
この曲をさまざまなアーティストの方々が自由にアレンジ。
▶ おかえり、おんがく。
という、ヤマハミュージックジャパンの企画です。
2020年、音楽を発表する場が極端に減ってしまった中、前を向く人へ向けた音楽のメッセージを届けようと、さまざまなコンテンツが立ち上がっている中のひとつです。
国内の有名なアーティストの中に恐れ多くも私、エレクトーンプレイヤー中野正英も参加させていただく事となりました。
有名アーティストが一度に同じ曲を演奏するという面白くも貴重な機会でもあったので、アレンジの話や僕の感じた個人的な楽曲の感想などのエピソードに触れたいと思います。
最初に、どのような環境下でこの楽曲が発表されるのかを考え、また原曲の概要も考えていきます。
まずは発表される環境を整理する所からいきましょう。
①多くの有名アーティストが参加されるということ。
多くの池の雨の演奏動画が生まれる中で、誰がどういうアレンジ?という事が分かりやすい方がいいと思った為、ある程度の個性が必要だと思いました。
②原曲は子どもたちが口ずさむ姿を思い浮かべるであろうイメージが既に定着している楽曲ということ。
一層のこと、原曲を崩してしまうという方法もあるのですが、多くのアーティストは原曲のモチーフを利用して、他ジャンルにアレンジされるのでは?と思ったので、僕は原曲のもつ子どもに向けたイメージは大切にしようと考えました。
③さまざまな楽器や団体が参加する中での、エレクトーンという楽器の存在意義。
常に必要な事でもありますが、今回は特に同じ楽曲を演奏するので、バンドやオーケストラの模倣になってはならないと、ちょっとした使命感を思いました(笑)
続いて、アレンジジャンルを決めます。
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僕が聴いてきた「池の雨」は、ほとんどがクラシックの理論に基づいたスタイルであったこと。
日本の幼児向け音楽の特徴に西洋音楽理論が強く根付いているように感じることが多いです。(近年だいぶポップスよりのものも増えてきました)
しかし、アメリカの幼児向け番組に向けてみると、ほとんどはポップスのスタイル。
なので、今回はアメリカの幼児向けの音楽やティーンポップを意識したサウンドに決めました。
先ほど、さまざまな楽器や団体が参加する中、エレクトーンらしさが必要とお話ししましたが、
今回僕が考えたエレクトーンらしさとは……
普段ポピュラーアレンジする際、フロント(ジャズでは前に立つ楽器を指します)となる音色(楽器)を決めることが多いのですが、今回はそうではなく、様々な音色でメロディーを演奏することにしました。
小さな短い楽曲に様々な音色でメロディーをとる事は、実際のバンド編成では少々難しく、そこにエレクトーンらしさがあるのではと考えました。
ピアノ・ストリングス・ブラス・オルガン…細かく楽器チェンジするも、違和感の無いよう、僕なりに気をつけてみました。
池の雨をアレンジする際に少し苦労したのが、主題がとにかく短く、2つのモチーフが繰り返えされるのみということ。
(カエルの歌とキラキラ星のようなモチーフが組み合わさったような)
これが、とにかくキャッチーで子どもたちに愛される理由にあると思います。
クラシック理論のようにモチーフを発展させて紡いで変奏していくのには適していると多いますが、ポピュラースタイルでは、そうとはいかず……しかし子ども向けたサウンドから離れたくなかったので、なるべく小節も変えたくはありませんでした。
その中で、どのように個性を出すのか…。
程よくリハーモナイズしたり、後半転調したり…エレクトーンプレイヤーらしく技巧的にしてみたり…
色々な要素でちょっとずつ自分らしさを混ぜてみました。
他のミュージシャンの作品はどれも創意工夫に満ちた素晴らしい作品ばかりです。
ぜひ、比較して、各アーティストのもつ音楽性の違いに興味もっていただけたら幸いです。
また今回のアレンジは「ぷりんと楽譜」より期間限定で無料配布しています。
難易度は高めとなっていますが、興味ある方は是非トライしてみてください。
中野 正英(なかの まさひで)プロフィール
エレクトーンプレイヤー
東京都出身。ヤマハエレクトーンコンクール2008で第2位受賞後、音楽活動を開始。国内でのコンサート活動の他、'10年中国8都市、'11年中国9都市/香港/シンガポール、'12年中国3都市、'13年タイ、'15年マレーシア、'16年中国6都市、'17年シンガポール、'18年台湾3都市、でコンサートツアーやイベント出演も行う。'12年セルフプロデュースライブ「LIVE.1」を開催。'13年1st.CD「gonna be brave」をリリース。ヴァイオリ二スト中西俊博プロデュース 「中野正英×ケナン・ルイ・ウィジャヤ」を東京と大阪で開催。'15年ポップスコア『ボレロ-electro remix-』」を発刊。発売記念ライブも開催。'18年2nd.CD「いちばん、たいせつなもの。」と同タイトル エレクトーン曲集をリリースし、発売記念ライブも開催。
また「ヤマハ音楽教室」Webムービーへの楽曲提供やヤマハホール館内音楽制作など作曲家としても活動している。
Twitter @masahide_nakano
17LIVE エレクトーン演奏配信中